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イノベーション
2018.12.13

アマゾンエフェクトからの脱却を図る小売業の新機軸
IoT時代、<ショッピング体験>が変わる

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 2018年2月にウォルマートのダグ・マクミロンCEOが発表した2017年の決算速報(2018年1月期)を見ても、5003億4300万ドル(約50兆343億円:対前年比3.0%増)というとてつもない年間総売上のうち、eコマースの売上高は第3四半期で対前年比50%増、第4四半期で同23%増と高い伸長を記録しており、ウォルマート版オンライングローサリー「ウォルマート・グローサリー」が総売上高を牽引したことが分かる。

 実際、ウォルマートが全米で展開する3600店舗のうち、インターネットで商品を注文後、2〜4時間程度以降にピックアップサービスが受けられる店舗は、既に2100店舗に達したとされている(出典:『日経ビジネス』2018.11.26 No.1968 「ウォルマートがアマゾンに逆襲 ネットとリアル“融合”で突破口」)。

 2100店舗という規模は、買収したホールフーズの大都市圏の一部店舗で同様のサービスを展開するアマゾンに比べてもかなりの優勢である(ホールフーズは全米の店舗を全て足しあげても470店舗にすぎない)。

 躍進の要因は、お客さまに寄り添うサービスだ。

 ウォルマートのお客さまの大半は、相対的に世帯年収が低く、些細な価格差にも敏感な、いわば大衆層。

 創業以来、「Everyday Low Prices」をブランドスローガンとするウォルマートの戦略は、グローサリー・ピックアップサービス初回利用10ドルOFF(50ドル以上の購入が条件)や、アプリを使った「最低価格保証」サービス(競合店が安かった場合、差額をポイントで還元)などをキラー兵器として、お客さまのハートを鷲づかみにすることに成功しているように見える。

アマゾンのホールフーズ買収は「学びのための実験」だったのか

 一方で、昨年夏に高級スーパーのホールフーズを買収したアマゾンの動向はどうか。

 当時、アマゾンが仕掛ける「ネットとリアルの融合という名の電撃戦」は、誰の目にも明らかであり、当時「デス・バイ・アマゾン」*2の株価指数を大きく下落させた。

 アマゾンが買収後にまず着手したことといえば、ホールフーズがこれまで契約していたオンライン配送サービス企業インスタカートとの関係を解消し、「最短1時間で届くネットスーパー」が売りのアマゾンプライムナウ(Amazon Prime Now)のシステムと人員体制に置き換えて、自前のオンライングローサリーを構築することであった(ただし、プライムナウの対象都市の一部の十数都市に限られているが)。

 ホールフーズに設置されていたインスタカートの冷凍冷蔵ロッカーは、買収を境にアマゾンロッカーへと模様替えした。

 ホールフーズの魅力(機能的なブランド価値)を分かりやすく言うと「オーガニック」「ヘルシー」「グルメ」、そしてこれらの価値に見合う「プレミアム価格」ということになるだろう。

 アマゾンは巨人ウォルマートとの戦いを強く意識したのか、ブランドの4番目の特徴である「プレミアム価格」に何のためらいもなくメスを入れ、特に高価格帯の商品を中心とした大幅値下げキャンペーンやアマゾンプライム会員対象の5%キャッシュバック、特定品目の10%オフなど矢継ぎ早の施策を打った。

*2:アマゾン恐怖指数銘柄。アマゾンエフェクトで業績悪化が懸念される、ウォルマート、クローガー、コストコなど米国小売業54社で構成される株価指数。米投資情報会社のビスポーク・インベストメント・グループによって2012年2月に設定。

JBPRESS

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