人はリアル店舗に何を求めるのだろうか。

「デス・バイ・アマゾン」(Death by Amazon)。

「アマゾン恐怖銘柄指数」とも呼ばれるこの株価指数は、アマゾンの収益拡大や新規事業参入などを受け、業績が悪化すると見込まれる米国の小売関連企業54社で構成される。

 54社に含まれるのは百貨店のJCペニー、小売業最大手のウォルマート・ストアーズ、食品スーパーの最大手クローガー、会員制卸売のコストコ・ホールセール、そして書籍チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルなど、いずれも著名な大手企業ばかりである。

 デス・バイ・アマゾンは、米投資情報会社のビスポーク・インベストメント・グループによって2012年2月に設定された。

 2017年6月、アマゾンによる高級スーパーのホールフーズ・マーケットの買収(買収額は137億ドル:約1.5兆円)が発表されると、この指数は一時、時価総額ベースで320億ドル(約3.5兆円)もの下落に見舞われ、日本でも大きなニュースになったことは記憶に新しい(参考:http://www.quick.co.jp/6/article/12478)。

 54社に含まれる企業の店舗に、あるお客さまが洋服を買いに出かけたところ、洋服の売り場がAmazon Echoの売り場に改装されていた、という笑えない話も伝わってきている。

 いかに事業規模が大きくとも、リアルの店舗がアマゾンの「豊富な品揃え」や「デリバリーのスピード」に真っ向勝負を挑むことは難しい。
 
 それでは、デス・バイ・アマゾンの企業は文字通りこのまま死を迎えるのか。危機を乗り越えるための打ち手はないのか。