20代の若手社員は悩みだらけだ(写真はイメージ)

 ビジネスパーソンにとって20代とはまだ会社や組織に染まっておらず、柔軟な考え方ができる時期だ。上司・先輩としては、将来にわたって役立つビジネススキルを身につけてもらえるよう、しっかりと指導していきたいところだ。しかし、職場環境によっては20代のやる気が削がれてしまうこともある。一体、どんな職場環境だと若手はやる気を失ってしまうのか? 彼らが抱く7つの典型的な悩みと、その解決策を、人事向け総合メディア「@人事」の元編集長、安齋慎平氏が紹介する。(JBpress)

【1】将来が見えない

 これまで人事向けウェブメディアの運営や企業取材を通して、数多くの人事担当者や若手ビジネスパーソンと会い、話を聞いてきた。そして分かったのは、「将来が見えない」と悩んでいる20代若手ビジネスパーソンが実に多いことだ。特に彼らの多くは「自分が何に向いているか分からない」という悩みを抱えている。20代の頃は、自分がこの先どういったキャリアを歩んでいけば良いのか不安に思うものである。

 だが、自分に何が向いているのかを知るのは、極めて難しい。「自分に向いていない」と思える仕事でも、時間を重ねるうちにその仕事が好きになっていくこともありえる。若手が「この仕事は向いてない」と即決してしまうのを防ぐためにも、ある程度は現職で経験を積んでもらうよう指導したいところだ。その際、「この仕事の経験は将来、必ず役に立つ」と説明できることが大切だ。その理由を、上司・先輩として明確にしておきたい。

 また、「自分の軸」を自分で探す努力をしてもらうことも必要だ。これまでの人生で、どんなことをしているときがいちばん自分らしいと思えたのか、自分はどんな役割を果たしてきたのかについて棚卸しをしてもらうのだ。たとえ普段は意識していなくても、現在までの過程が一本の軸でつながっている可能性がある。その軸が見えたら、自分の将来像が明確になるだろう。

【2】成長できない

 今いる会社が成長できない環境にある時、若手社員は不安に思うもの。大企業の場合は年次に合ったカリキュラムが用意されており、自分がキャリアのどの段階にいるのかが分かりやすい。だが、立ち上がったばかりのベンチャー企業などはそもそも教育体制が整っていないところが多く、成長できる環境にない場合がある。