AI全盛の時代、人間が提供できる価値とは?

シンギュラリティを迎えるまでの人間のもがき方

西原 潔/2018.6.30

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AI時代における人間の価値とは。

 近年、機械学習やディープラーニングなどAI関連の技術は爆発的な成長を続け、これまでにないAIブームを展開している。そして、既にさまざまな企業で、AIを活用したソリューションの導入が始まっている。

 しかし、実際のところ、自分の企業や団体の職務フローを見直してみても、どこからAIに任せればいいのか、手の付け所に迷う場合が多いのではないか。また、仮に予算やリソースが十分にあったとしても、業務のすべてをAIに置き換えるのは適当なのだろうか。

 一方、AIへの置き換えが進むことで、人間の仕事が奪われるのではないかという懸念が生じている。2014年には、オックスフォード大学のAI研究者マイケル・A・オズボーン准教授らにより、AIへの置き換えにより米国の雇用者の47%が職を失うと発表され、大きな話題になった。

 これからの仕事は、すべてAIに任せることになるのだろうか。人間がやるべき場面はないのだろうか。

 そのようなAI導入に関する懸念や論点を、ローランド・ベルガー日本代表の長島聡氏が、著書『AI現場力 「和ノベーション」で圧倒的に強くなる』(日本経済新聞出版社)で議論している。

AIに任せるべき点・任せるべきでない点

長島聡著『AI現場力 「和ノベーション」で圧倒的に強くなる』(日本経済新聞出版社)。

 AIの活用に際して、往々にして「何がAI化できるだろうか」という議論に陥りがちだが、果たしてその入り口は正しいのだろうか。

 そもそも問い直さなければいけないのは、「我々はAIを使って何がしたいのか」ということだ。AIの導入、業務の置き換えは、あくまで手段であって、それ自体が目的であってはならないはずだ。むしろ、その先のゴールを考えることで、AI化すべきところとすべきでないところが見えてくる。