人間は、「生きる意味があるのか?」と自分から問いかけるのではなく、「問われている」存在である。その「問い」に常に全力で応えていくことで、自分の人生に与えられている使命(ミッション)を全うしていくべきなのだ──。「『今、ここ』に全力を注ぐ」と言い換えることもできるもしれません。

 その解説書によると、人生のミッションは「問い」に答えていくうちに自然に生まれ、果たされるもののようです。

 でも、前もって考えるのもアリなんじゃないかなあ、と私は思います。企業がミッションステートメントを作るように、個人もミッションを作ったらいいんじゃないでしょうか。自分は人生で何をしたいのか? だとしたら、今の仕事はミッションとどんな関係があるのか? 今の働き方は、ミッションに沿っているのか?

 ミッションを考える際は、「あなたを待っている“誰か”がいて、あなたを待っている“何か”がある。そして、その“何か”や“誰か”のためにあなたもできることがある」というフランクルの思想をベースにするとやりやすいのではないかと思います。

 たとえば私の場合ならば、ミッションは「(その人にとって)新しいことや困難なことに立ち向かおうとしている人の背中をそっと押す」「人が笑っている時間を増やす」でしょうか。

 仕事においても人生においても、自分が「誰に」「何に」待たれているのか、何ができるのか、ちょっと考えてみてはいかがでしょうか。