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イノベーション
2017.10.31

「VR人口10億人時代」に向けて日本がすべきことは
日本でのVR普及が遅れている理由や対策について考察する

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世界的ヒットのPSVR、日本で苦戦する理由は

VR用のHMDには、スマートフォンをセットして使う簡易的な物もある。しかし安価な分、体験の質は劣る。ここでは、ある程度本格的な体験ができるHMDに対象を絞って見ていこう。

家庭用VR機器として最も認知されているのは、恐らくソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)のPlayStation VR(以下、PSVR)で間違いないだろう。2016年10月13日(木)に発売されたこのHMDは、家庭用ゲーム機ということで一般層にも親しみやすく、それまでのハイエンドHMDに比べるとぐっと価格も抑えられている。

SIEの発表によると、2017年6月時点でPSVRの累計販売台数は100万台。一方、代表的なPC向けハイエンドHMDの、2016年末までの各販売台数は、Oculus Riftが24.3万台、HTC Viveが42万台(調査会社SuperData Researchの予測による数値)。これらと比べると、PSVRの健闘ぶりがよく分かる。

参考までに、同予測結果を取り上げたニューヨークタイムズの記事(※)によれば、2007年発売の初代iPhoneは初めの3カ月間で140万台近くを売り上げたとのこと。

しかし日本にいると、PSVRがそこまで普及しているという感覚がある方は少ないのではないだろうか。KADOKAWAが発売しているゲーム雑誌『ファミ通』の調査によると、2017年3月26日時点で日本国内でのPSVRの販売台数は10.2万台。この数字だけでは判断し難いかもしれないが、世界での販売台数と比べると少ないと言わざるを得ない。

実は、PSVRが日本で苦戦している理由の一つは明快。日本では海外ほどPlayStation 4(以下、PS4)が普及していないからだ。PSVRはPS4の周辺機器なので、スタンドアローンでは動作しない。使うにはPS4を持っていることが大前提なのだ。

※ 2017年3月26日(日)公開のThe New York Times「Popularity of Sony’s PlayStation VR Surprises Even the Company」より

PS4の普及率の差がVR普及率の差に

別の記事でも触れたが、世界的に見るとPS4は2017年度中に販売台数累計7800万台に達する(※)ほどの大ヒットハード。歴代PlayStationシリーズの中で最も売れたゲーム機、「PlayStation 2」の販売ペースをも上回る売れ行きだという。

しかし、日本での販売台数は7月26日(水)時点で500万台(メディアクリエイトの集計による)。世界累計の10%にも達していないのだ。

元々PS4を保有していれば、約5万円でPSVRが使用できるようになる。しかしPSVRにPS4、そしてPlayStation Cameraを一から揃えるとなると、10万円近くかかってしまう(これでも、従来のPC向けHMDやそれを使用するのに必要となるハイスペックPCを併せた金額に比べれば十分手軽と言えるのだが)。

また海外に比べると、国内の家庭用ゲーム機市場が冷え込んでいるという事情もある。海外ユーザーにとって大きな魅力となった「身近な家庭用ゲーム機の周辺機器」というPSVRの強みも、日本国内では通用しない。残念ながら日本の多くの一般ユーザーにとって、PS4は「身近な存在」ではなく、PSVR共々「限られたゲーマー向け」のハードなのだ。

※ 2017年10月3日(火)に発表された、共同通信によるSIE会長アンドリュー・ハウスへのインタビューより

JBPRESS

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