企業の都市部集中による通勤環境の悪化が問題視されている。

国土交通省の「東京圏における主要区間の混雑率(平成28年度)」では、朝の通勤時間の7時30分〜9時ごろ、東京圏31区画の混雑率は平均して165%を超え、199%に達する路線も存在する。まさに企業が都市部に一極集中していることが伺える数字といえよう。

三大都市圏における主要区間の平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移
※出典:国土交通省ホームページ ( https://www.mlit.go.jp/common/001099730.pdf

そんな中、家賃が比較的高い都市部を避け、地方で起業するという人たちが現れ始めている。

とくに沖縄県は、沖縄市にある創業支援施設スタートアップカフェ・コザがハブとなり、スタートアップコミュニティの核となっている。スタートアップカフェ・コザでは、毎週のようにスタートアップ関連のイベントや勉強会が開催され、沖縄のメディア運営者やスタートアップ経営者が出入りする場所となっている。

沖縄の創業支援の場所として始まったスタートアップカフェ・コザは、8月5日に一周年を迎え、一周年記念イベントとして合計22のカンファレンスを開催。地方のスタートアップ支援施設が主催するイベントとしては規模の大きいものとなった。

スタートアップカフェ・コザの一周年記念イベントに県内外から人が集まり、最終的に1200人を動員したという

本稿では、今ホットな場所となっているスタートアップカフェを通じ、なぜ今地方が盛り上がるのか? 創業のメリットはあるのか? について、いくつかの観点から考察してみたい。

スタートアップカフェ・コザ代表の中村まこと氏にスタートアップを支援する立場から見えた地方創業のリアルな話を伺った。

左が柴田氏、真ん中が中村氏。スタートアップカフェ・コザの前にて