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イノベーション
2017.06.13

執筆から配信までわずか2分 脅威のスピードを誇るAI記者
「AWS Summit Tokyo 2017」特別講演レポート

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決算ピーク時にも2分で1本の記事を作成

同プロジェクトは、2015年3月にデジタル部局の若手エンジニアたちが社内チャットでの雑談がきっかけとなった。そして同年冬には、東京大学の松尾研究室との共同研究開発を開始したという。

「2016年の夏頃にはプロトタイプが完成し、徳島大学発のベンチャー企業・言語理解研究所(ILU)の技術協力を得て開発に着手。同年12月にはベータ版が完成し、2017年の1月にはベータ版サービスを公開しました」

1月25日のサービス開始から5月26日まで、公開されたAI記者による記事は、6787本とのこと。

一方で日経の記者は、1人につき上場企業50〜70社を担当し、決算発表時期には定型原稿を作成する。しかし、1人の記者がどんなにがんばったとしても1日に5社の業績速報を書くのが限界だとか。そのため、年に4回訪れる決算ピーク時には、毎分300社が決算を開示するが、速報として執筆できるのは、注目度の高い大企業に限られてしまうという。

「ただ、どんなに小さな会社でも企業情報を求めているユーザーは必ずいます。AI記者による記事の大量生成は、そうしたユーザーのニーズに応えるサービスとなるはずです」

AI記者と人間の記者、それぞれの強みを生かすサービスへ

より多くの決算情報を瞬時に届けてくれるAI記者。この新たな仲間に対して、編集部員たちはどう受け止めているのだろうか?

「AIの導入によって、業務の変更は起きてくると思います。ただ、編集部員たちも仕事を取られるという意識はまったくなく、好意的に受け止め『あんなことはできないの?』など、いろいろな提案してくれます。AI記者が業績速報などの定型業務を行うことで、人間の記者の負担が減るため、サポーターとして非常に期待してくれているようです」

これまで、人の手で作られてきた速報や定型業務をAI記者に任せることで、記者は自分の足を使って取材ができるため、記事内容の“付加価値”を高めることにつながるという。

「文章の流暢さや創造性などの課題が残るものの、数字の正確性と、記事の大量生成、処理速度は、AI記者の最大の“強み”になります。人間の記者は、負担が軽くなったぶん、業績速報で特徴的な決算をした企業に後追い取材を続け、どんどん情報を掘り下げていくことで、きちんとした報道をすることができるはずです」

AI記者導入後に予想される、業務負担の変化を表すグラフ

今後は文章力をチューニングしつつ、業績速報のほかにも市場速報や、統計記事、社長交代、プレスリリースなどの“パターン化された記事”の執筆もAI記者に任せていく予定、と藤原氏。

まさに、人とAIが共存する時代の幕開けを感じるスピーチだった。数年後には「AIに仕事が奪われる!」という考え方のほうが、時代遅れになっているのかもしれない。

JBPRESS

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