IoT(Internet of Things)の最新ニュースや企業&ベンチャー事例(ケーススタディ)ほぼ毎日掲載

イノベーション
2017.04.27

排泄予知デバイスを生んだ壮絶な“お漏らし体験”とは?
世の中のトイレ事情を変えていく排泄予知ウェアラブル「DFree」

BY

排尿のタイミングを通知する排泄予知ウェアラブル「DFree」

食べたら出す、それは生きていく上でごく当たり前のことだ。しかし、すべての人が満足な排泄ができているわけではない。たとえば、トイレに行くまでに準備が必要な車いす生活の人はもちろん、尿意や便意を感じにくいお年寄りなど排泄に悩みを抱えている人はゴマンといるのだ。

そんな中、先日、まずは介護施設を対象にサービスを開始した排泄予知ウェアラブル「DFree(ディーフリー)」をご存知だろうか? DFreeとは、便や尿が出るタイミングを予測してユーザーに知らせる、まったく新しいウェアラブルデバイスだ。

左)下腹部に装着するセンサー部、(右)Bluetooth搭載のバッテリー

マッチ箱ほどの大きさで重さは70グラムと、とてもコンパクトなDFree本体。基本的な使用方法は、本体の超音波センサー部分を下腹部に装着し、バッテリーをズボンや上着にセットするだけ。すると、人体に影響のない超音波によって取得した体内の情報をBluetooth経由で専用のアプリに送り「何分後に排泄があるか」を分析する、という仕組みだ。

現在は、膀胱のふくらみ具合によって尿の量をパーセント表示して一定量に達したとき、ユーザー本人や介護担当者のスマホにバイブレーションなどで通知する排尿予測サービスを行っている。

「自分で尿意を感じてトイレで用を足せる人に『何分後』と余裕を持って知らせるだけでなく、尿意をうまく介助者に伝えられなかったり、トイレに行くまでに時間がかかったりする人にも使ってもらえる端末です」

そう語るのは、DFreeの研究・開発を含む事業を営むベンチャー企業トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社、代表取締役の中西敦士氏。

わかりやすいアイコンで、ユーザーの膀胱内の尿量が表示されている

同社では、DFreeの実用化に向け、2年ほど各地の介護施設で実証実験を行っていた。さまざまな介護施設との交流を通じて、介護現場が抱える“排泄ケア”の問題を目の当たりにしたという。

「深夜でも10分に1回くらいの間隔で入所者からの呼び出しブザーが鳴っていました。そんなときに、1人の入所者が失禁してしまえば、体を拭いて服を着替えさせて、シーツ替えで、10〜20分間その人につきっきりになってしまいます。その間、ほかの入所者からも呼び出されて、とてもすべてに対応しきれない状態でした」

多岐にわたる介護業務のなかで、排泄介助やおむつ、尿パット替えなど、1日のうち3時間前後が排泄に関わる仕事だという。また、入所者に自力排泄を促すために、定時にトイレに連れていくトイレ誘導は、誘導しても排泄できない、いわゆる空振りをすることが多い。トイレ誘導の空振りが続くと、介護者はおむつ交換に切り替えて、入所者を寝たきりにしまうケースもあるそう。

「しかし、DFreeを使うことで個人の排泄までにかかる時間がわかり、おむつに漏らす前に自力での排泄を促すことができます。さらに、それぞれの排泄タイミングが把握できれば、介護士の業務効率は確実に上がり、それまで排泄介助にあてていた時間をリハビリやレクリエーション等の時間に生かすことができるはずです」

また、高齢者の排泄への不安を和らげることで、彼らのQOL(生活の質)の向上にも一役買っているという。そもそも、自立支援を目的とする介護施設において、おむつの使用は「最終手段」。寝たきりで、おむつに頼ることは、望ましくないのだ。

「おむつをしていると、それだけでその人のQOLは下がってしまいます。できれば、おむつをせずに、トイレで排泄できるようにしていくのが理想なんです」

DFreeの「D」は、おむつを意味する英語「Diaper」に由来し、「Free」は自由、とらわれない、解放を指す。その名の通り、DFreeはおむつからの自由になることを意味しているのだ。

JBPRESS

あわせてお読みください

記事ランキング

  • 直近1時間
  • 昨日

話題のキーワード

注目連載

あわせてお読みください

IoTニュース

AWSにおけるシステム障害通知を自動化する【第10回】 | IT Leaders
ドローンビジネス「で」儲ける、SIerが活用できるプラットフォームも登場 ーIoT推進ラボ・ドローン WG ドローンワークス今村氏 講演レポート
IoTのセキュリティ対策をガートナーが解説、「困難だが不可能ではない」
100km飛ぶ「新LPWA」で世界狙う――ソニーがIoT無線サービスに独自参入
ワイヤレス充電市場は13倍に爆増、村田製作所・ローム以外の世界プレイヤーとは?
IoT端末に最適? Apple Watch Series 2の心臓部「S2」に迫る
韓国でスマホ向けプリンターや点字用スマートウォッチなど多彩な最新IoT機器を発見!
インテル、エネルギー業界向けIoTプラットフォームの構築を開始
IoT活用や海外法人の管理など旬な話題が語られた「PCNW 2017」
NECPCなど、IoTプラットフォーム「plusbenlly」ベータ版を無料公開
MAMORIO、第40回隅田川花火大会でIoT活用の忘れ物自動通知サービスを提供
スマートファクトリーをいかに導入し、結果をだすのか -IoTConference2017レポート⑧
ソフトバンク、LPWA接続もサポートする法人向けIoTプラットフォームを提供
IoT・ハードウェアの「今」を体感できる豪華イベント8/28開催
NEC、IoTプラットフォーム「plusbenlly」ベータ版を公開、異なるWebサービスやIoT製品を連携
「1兆の回線つなぐ」――孫社長が描く“IoTの未来”

IoTニュース”は、Mynd Engineを活用して、世の中のIoT関連の記事をまとめさせていただき、ご紹介させていただきます。