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イノベーション
2017.03.17

自動運転とAIの到来が描く「製造業に不都合な未来」
IoT時代、「移動する体験からライフスタイル」が変わる

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 必然的にマーケティング視点で考えた時、マーケティングに与えるインパクトも甚大だ。

 お客さま個人の行動データは、自動車での移動にまつわるデータだけにとどまらず、生活にまつわるさまざまなデータが(ウエブの閲覧履歴やSNSのデータなどセカンドパーティ、サードパーティデータといわれるものも含めて、ある特定のIT企業によって)お客さまのIDに紐づけて集約されるようになる。

 そして、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)に蓄積されたデータをAIが統合・解析して、お客さまの嗜好性に合ったレコメンドや改善提案の形でフィードバックされるというスタイルが確立されて行く。

 例えば、自動運転車での移動をイメージすると、AIと対話することで明日の晩に飲むワインをAIのレコメンドに沿って注文したり、見逃した人気ドラマをAIに移動時間に合わせた長さに編集してもらって車内のスクリーンで視聴したり、ということも日常的になるはずだ。

 このことは直接、破壊的イノベーションの影響を受ける自動車メーカーのような製造業の企業にとっては、これまでのように「売り切り型」のビジネスモデルではなく「AI導入を前提にモノとサービスを一体化した、持続的なサービスを提供する」ビジネスモデルへの転換を迫られることを意味する。

 そして、それ以上に深刻なのは、DMPやAIを掌握した特定のIT企業がバリューチェーンの頂点に君臨し、モノをつくるメーカー企業がサプライヤーの地位に甘んじるというワーストシナリオを暗示させることである。

 裏を返せば、2年前にジョン・チェンバースが看破したように、製造業の企業はハイテク企業(IT企業)に生まれ変わらなければ生き残ることが難しい、ということだ。

 ワーストシナリオはある意味、業界(インタストリー)の垣根を超えて体現されるという点で、何年か前にPCやスマートフォンの世界で起きたゲームチェンジよりも影響ははるかに甚大であろう。

 自動運転車とAIの関係を純粋にテクノロジーの観点から眺めるだけではなく、事業経営やマーケティングの視点から、より広く、より深く洞察していくことが、過去にトラウマのある日本企業にとっては必要ではないだろうか。

JBPRESS

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