世界で成長を続けてきた電気自動車(EV)市場に変調の兆しが見えています。2023年は世界の主要市場でEVの販売が減速する一方、ハイブリッド車(HV)の販売が伸長するなど、EVは成長の踊り場に差し掛かっているかに見えます。EV市場は今後どのような展開が見込まれるのでしょうか。
「Japan Innovation review」では2024年5月16日、フロスト・アンド・サリバン(以下、フロスト&サリバン)との共催で、LIVE配信ウェビナー「世界のEV市場の展望と日産自動車のEV戦略」を開催します。本稿では、その見どころをご紹介します。
EV市場の展望を徹底解説
基調講演を務めるのは、世界に40拠点以上のネットワークを有する市場調査・コンサルティング会社、フロスト&サリバンでアジアパシフィック モビリティ部門 ヴァイスプレジデントを務める本多正樹氏です。
本多氏は、「世界の自動車市場の展望と2024年予測トップ10」というテーマで、世界のEV市場およびEV充電インフラ市場の概況を解説した上で、2024年に注目すべき予測のトップ10を発表する予定です。
本多氏は、自動車会社、自動車部品会社、ロジスティクス会社などを経て、フロスト&サリバンに入社して以来、モビリティ(自動車・交通)部門のコンサルタントとして14年以上の経験を有するエキスパートです。
黎明(れいめい)期からEV市場を見続けてきた第一人者としての立場から、EV市場の現状分析、さらには将来の展望などを解説していただきます。
モビリティ業界の関係者の皆さんが気になるのは、市場勢力図の変調ではないでしょうか。EV市場をけん引してきた米国のテスラが、全世界で従業員の10%以上を削減するという発表を行ったのは記憶に新しいところです。
本多氏は「1年前にフロスト&サリバンが発表したリポートでは、中国のBYD(比亜迪)がテスラのシェアを抜いたことを大きく取り上げました。今、その差はさらに開きつつあります」と話します。
スマートフォン大手のシャオミ(小米)が2024年前半の量産開始を発表するなど、他の中国企業も続々とEV市場に参入しています。中国勢が中国国内はもとより、米国、欧州、さらには東南アジアでシェアを拡大している理由はどこにあるのでしょうか。また、日本勢はここから巻き返しを図ることができるのでしょうか。
ハイブリッド車(HV)が支持される理由は
また、日本の自動車メーカーにとって特に興味深いのは、ハイブリッド車(HV)の売れ行きが絶好調なことではないでしょうか。一時は「ガソリン車は早晩、世界の市場からなくなる」とも言われることもありました。
本多氏は「内燃機関のみを搭載した自動車は、各国の規制もあり、いずれなくなることは確かです。HVをガソリン車と捉える人もいるのですが、むしろ電動車と位置付けるべきです」と話します。それにより、「世界の市場で日本メーカーをはじめとするHVが支持されている理由も明確になる」と続けます。
本多氏の講演では、2023年のEV市場のハイライトに加え、世界の主要市場におけるEVの成長・普及の予測、さらにはバッテリーや自動車充電インフラなどの概況についても発表される予定です。
スペシャルゲストに日産自動車が登場!
本ウェビナーではこの他、日産自動車で国内における電気自動車を含む全車種の戦略策定の舵取りを担う、チーフマーケティングマネージャーの江嵜智和氏を特別ゲストとしてお招きし、「日産自動車のEV戦略と取り組み」というテーマでお話ししていただきます。
江嵜氏と本多氏の対談セッションでは、参加者の皆さまからのご質問もお受け付けする予定です。
<想定する対談トピックス>
・日産自動車は世界のEV販売が減速している現状をどのように捉え、今後をどう展望しているか
・直近のEV販売の減速は織り込み済みなのか、投資計画に影響はあるのか
・日本のEV普及が世界の主要市場から遅れている原因と今後の見通し
・化石燃料による電力供給比率が高い日本市場において、EVは脱炭素に大きく貢献し得るか
・日本ではEVが非常時の電源としての役割も期待されているが、それは世界共通のニーズなのか
・日本のEV充電インフラの整備状況をどのように見ているか
完成車メーカーやサプライヤーなど、自動車産業に関わる方々はもちろんのこと、周辺産業に携わる人にとっても有益なイベントです。この機会にぜひ参加をご検討ください。
参加料は無料ですが、事前の申し込みが必要です。以下のリンク先では詳細な講演内容、タイムテーブルも確認できます。早めの登録をお勧めします。
※プログラムの内容は変更になる可能性がございます。あらかじめご了承ください。