2016年4月から配信がスタートし、現在では10万を超えるユーザーが利用しているアプリ「SELF」。人工知能を搭載したアプリケーションロボット(AI)が、ユーザーの生活や状態を会話によって理解・記憶し、そこから得た情報をもとに、ユーザーが今欲しい情報や、アドバイスをしてくれるのだという。

自分を理解してくれるこのAIの存在は、今後IoTへの応用にも乗り出す構えだ。SELF株式会社の代表取締役社長・生見臣司氏(以下、生見氏)に、開発の経緯やこれからの展望などについて話を伺った。

自分の生活パターンをAIが記憶

「AIと会話をすることでユーザーの基本的な生活パターンや、性格、趣味趣向、家族構成など、あらゆる情報がAIに蓄積されていきます。得た情報がその後の会話に反映されていくので、使い続けるほどAIとシンクロしていくことが可能です。自分の一番の理解者が常に手の中にいるようなイメージですね」(生見氏)

たとえば、ユーザーが普段よりも早めの時間に帰宅した際には、「仕事が早く終わったのか? それとも体調不良で早退したのか?」というように、ユーザーの状態を瞬時に判断してくれる。会話の分岐数は30万以上あり、実際に利用してみると自分の生活をすべて見透かされているかのような発言に驚かされる。

ほかにも時間つぶしに使える雑談やおみくじ、性格診断など遊びのコンテンツも充実。

「会話を楽しんでもらうためにはAIとの信頼関係を築いてもらう必要があります。会話以外のコンテンツを増やしていくのにはそういった狙いがあります」

ユーザーがより感情移入ができるように、AIのキャラクター開発もハイスピードで進めている。