商品管理/情報共有/購買傾向の把握/影響要因の分析/セルフサービスBI/単品販売分析/顧客分析/在庫管理
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背景
こんな悩みにさようなら!明日から使えるシーン別データ活用法
複数ブランドの婦人服を製造・販売する「SQL商事」。同社は、百貨店、専門店、量販店のほか、関東一円に20もの直営店を展開。さらに最近では、インターネットでも商品を販売している。しかし、最近は不況のあおりもあって、全社的な売上げが落ち込みぎみ。また、顧客ニーズや購買行動が多様化してきたことに伴い、従来通りの施策では、期待通りの成果が出なくなってきている。そこで同社では、データの積極的な活用に目を向けるが…。
SQL商事
SQL商事
婦人用カジュアルウェアを製造・販売する企業。若年層向けを中心に複数ブランドを展開し、そのデザインとクオリティには根強いファンが多い。様々な卸・小売業者と太いパイプを持つほか、直営店やインターネットでも商品を販売するなど、積極的なビジネス展開を行っている。
  • Vol.1 営業部編・前編
  • Vol.2 営業部編・後編
  • Vol.3 経営企画部編
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Scene1,この前まで売れていたものが、なぜ売れない?

“SQL商事が展開する若年層向けブランド、「R2」。R2の営業部は、地域ごとに担当が分かれています。各営業は、担当地域にある百貨店、専門店、量販店に向けて自社のアイテムを取り扱ってもらうようにセールスを行う一方で、直営店の管理も行っています。今日は、月1回開かれる月例会議。各地域のR2の営業担当者が本社に集まりました。

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営業本部長
このように、R2営業部では、3月に続き4月の売上げも、前年同月比で10%も落ち込んだ。先の役員会でも、このことが最重要課題として議論されたそうだ。我々としては、その要因を報告し、対策を示さなくてはならない。何か思いつくことはないか。
営業A
やはり、不況の影響ではないでしょうか。
お客様のフトコロ事情も悪くなっていますし、
デフレのせいで、価格も下げているわけですから、売上げだって当然落ち込みますよ。
営業本部長
おいおい、不況のせいにしたって何も始まらないだろ。他社ブランドで、売上げを伸ばしているところもあるみたいだし、うちの中でも売上げを伸ばしている地域だってあるんだから。

営業B
やはり、これまでのやり方が通用しなくなってきてるんじゃないでしょうか。ご存じの通り、アイテムの売れ行きは、流行、天気、地域やキャンペーンに大きく左右されます。特に、若年層向けのブランドでは、売れ筋が目まぐるしく変わるじゃないですか。この前だって、売れていたアイテムを大量に製造した途端、急に売れなくなって在庫をかかえちゃいましたよね…。これまでのような、経験や勘でシーズンを読むような戦略では、敏感なお客様についていけなくなっているんですよ。
営業本部長
確かに、そうした傾向は最近特に強くなってきているな。それじゃ、どうしたらいいと思う?

営業B
もっと、データを積極的に活用できないものでしょうか。今もらっている販売レポートは、地域別、店舗別にまとまった数値が出ているだけじゃないですか。自分の担当している地域に関しては、単品レベルで店舗別や時間帯別、あるいは天気別といった形で、商品購買傾向を分析したいと思っているのは、僕だけじゃないと思いますよ。
営業C
私もその意見には賛成ですね。ECサイトや通販カタログでの販売を含めて、今は購買ルートが増えているのに、複数のチャネルでの統合分析がこのレポートではできてないですよね。それに、取引先ごとの売上げを月別に集計する作業は、毎回IT部門を経由することになるので、どうしても時間がかかるじゃないですか。この前も、忙しそうにバタバタしている中に入って、「これ、粗利ベースでも知りたいんだけど…」って別のことをお願いするのは、何だか気が引けちゃいました。
営業A
それに月次のレポートが、2週間後に出てくるのは、ちょっとタイミングとしては、遅いですよね。抽出されたデータを、分析するためのデータにするのにも時間がかかるわけだし…。
営業本部長
うーん。データの活用ねぇ。よし、じゃあ、来週もう一度緊急ミーティングを開く。それまでに、具体的な案を考えてきてくれ。

ここがポイント

「データを活用したいのにできない!」のは誰のせい?

 “ニューノーマル時代”と言われるように、金融危機以降の不況などを背景に、顧客の購買行動は、劇的に変化しています。これは、一般消費者だけではなく、企業を 相手にビジネスを行う場合も同様です。




 こうした変化をつかむために、多くの企業では、積極的なデータ活用を考えていますが、うまくいかないケースも少なくないようです。それは、R2営業部の例でもわかるように、「欲しい情報」と基幹システムから「抽出されるデータ」との間に、即時性、粒度、精度の観点で、大きなギャップがあるからです。

 例えば、IT部門から月次に出されるデータを集計して、分析用の数字をそろえるだけでも、数時間から半日程度を無駄にしていませんか? その後、分析作業を実施しようとしても、情報の粒度の問題で詳細な分析ができなかったり、情報が古くなってあまり役に立たなかったりすることもあるでしょう。さらに、古いデータをもとに、Excelで2次加工、3次加工して利用しているケースは少なくありませんが、これだとどうしても精度に問題が生じてしまいます。

 しかし、これは決してIT部門のせいではありません。これまでのシステムは、こうした早い変化を想定して作られていなかったからです。せっかく集めているデータを生かせないばかりか、ユーザー部門とIT部門のストレスの原因につながるのでは、意味がありません。

 そこで、ここからはマイクロソフトの「SQL Server 2008 R2」による新しいデータの活用方法を紹介していきます。
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Scene2,BIなんて、聞いただけでも、アレルギーが出る!?

“前回のミーティングから1週間。どうやってデータをビジネスにうまく活用していくかを考えてきたようですが、「BI」という言葉にネガティブな印象を持っている人もいるようです。

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営業本部長
それでは先週話した、データの活用方法について、具体的な意見をまとめてきたものはいるか?
営業B
はい。いろいろ考えましたが、やはりデータを徹底的に活用していくなら、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入するのはどうでしょう?
営業本部長
馬鹿も休み休み言え。あれは一部の大企業向けのツールだ。お金がかかるし、操作も難しいという話だ。一部の専門分野の人にしか使えないツールを導入しても意味ないだろう?
営業B
本部長、お言葉を返すようですが、それは少し前のBIのイメージです。今は、「BI」というより、Excelの延長で使える「データ活用ツール」といった感覚で活用できるみたいですよ。特にマイクロソフトのSQL Server 2008 R2なら、ExcelとWebブラウザーのみを利用するので、誰でも簡単に使えるっていう触れ込みです。どうやら、「セルフサービスBI」っていうらしいですね。
営業本部長

セルフサービス?

営業C
よく定食屋とかである「ご自分で、どうぞ」ってことですよ。IT部門にいろいろとお願いせずに、自分で簡単にやれるならいいじゃないですか。
営業A
私も同じように、やはりマイクロソフトのBIツールがいいのではないかと思っていました。BIツールといっても、マイクロソフトの場合、SQL Server 2008 R2に標準機能としてくっついてくるので、新たな費用はかかりません。IT部門に確認したところ、弊社でもSQL Serverを使っているようでしたので、バージョンアップさえすれば、いいみたいですよ。
営業本部長

本当に使えるのかな。うーん、ものは試し、少し使ってみるか。


ここがポイント

 最近になってBIツールは、注目を集めていますが、実は昔から存在しているツールです。そのため、昔のBIツールを知っている人の中には「高い」「難しい」「面倒くさい」というイメージを持つ方も少なくありません。しかし、マイクロソフトのBIツールは、「誰もが使えるBI」をコンセプトに製品の開発に取り組んでおり、こうした概念は払拭されています。以下で簡単に特長を紹介しておきましょう。




コストパフォーマンスに優れている

 SQL Server 2008 R2の標準機能でBIを提供しているため、特にBI機能を新たに買い足す必要はありません。
また、SQL Server 2008 R2自体も、他のデータベースソフトに比べてお得なライセンス体系となっているため、導入前後の費用負担も非常に軽くなっています。

誰もが簡単に使える

 BIのフロントエンドツールとなっているのは、ユーザーが使い慣れたExcelやWebブラウザー。新しいスキルを身に付ける必要はありません。しかも、グラフ作成やデータ表示を従来のExcelと同様の操作で行えるため、Excelのスキルさえあれば、ほどなくセルフサービスBIも使いこなすことが可能です。

 しかも、セルフサービスBIで使えるデータソースは、SQL Serverだけではありません。自分の PC に持っているExcelデータ、さらにはWebページ上のデータも使えます。つまり、コピー&ペーストで何でも放り込めてしまうという手軽さです。→具体的にどんな使い方ができるのかについては、VOL.2とVOL.3で説明します。

ユーザー部門で自在に情報を加工・分析できる

 従来であれば、多次元分析をするための情報の抽出や統合は、データベースサーバーへのアクセスが必須条件でした。しかし、通常ユーザー部門にはそのようなことは許されていませんし、仮にアクセス権があったとしても、データベースにデータを取り込み、加工して、多次元集計やセキュリティを定義するのは、一般のユーザーにとっては骨の折れる仕事です。

 しかしSQL Server 2008 R2のセルフサービス BI であれば、IT部門に対して「このデータを抽出・統合してくれないか」という依頼をその都度かけることなく、いつでも自分で好きなようにデータを分析することができます。
何となく疑念を抱きながらも、マイクロソフトのBIツールを使うことになったSQL商事のR2営業部。次回(VOL.2)では、R2営業部が、具体的にどんな使い方をして、どんな効果があがったのかについて、具体的に見ていくことにしましょう。

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  • Vol.2 営業部編・後編
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  • Vol.4 IT部門編
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