商品管理/情報共有/購買傾向の把握/影響要因の分析/セルフサービスBI/単品販売分析/顧客分析/在庫管理
社員にチカラをITで企業力を。Because IT's everybody's business
背景
こんな悩みにさようなら!明日から使えるシーン別データ活用法
複数ブランドの婦人服を製造・販売する「SQL商事」。同社は、百貨店、専門店、量販店のほか、関東一円に20もの直営店を展開。さらに最近では、インターネットでも商品を販売している。しかし、最近は不況のあおりもあって、全社的な売上げが落ち込みぎみ。また、顧客ニーズや購買行動が多様化してきたことに伴い、従来通りの施策では、期待通りの成果が出なくなってきている。そこで同社では、データの積極的な活用に目を向けるが…。
SQL商事
SQL商事
婦人用カジュアルウェアを製造・販売する企業。若年層向けを中心に複数ブランドを展開し、そのデザインとクオリティには根強いファンが多い。様々な卸・小売業者と太いパイプを持つほか、直営店やインターネットでも商品を販売するなど、積極的なビジネス展開を行っている。
  • Vol.1 営業部編・前編
  • Vol.2 営業部編・後編
  • Vol.3 経営企画部編
  • Vol.4 IT部門編

Scene1,データを自由に抽出・分析できることのメリットとは?

前回(VOL.1)、議論の末、積極的なデータ活用に向けて新しい試みを始めたSQL商事のR2営業部。BIツールを導入したことで、かねてから課題としていた問題は解決できたのでしょうか。

scene1
営業本部長
BIツールを導入してから数カ月がたったが、どうだ、セルフサービスBIとやらは。何か新しい成果はあったのか?
営業A
やっぱり、単品レベルで細かく販売実績を調べられるようになったのは大きいですよ。以前の定型レポートは、どうしても全社的な視点だったじゃないですか。それが今は、自分が担当している店舗ごとに、各アイテムの販売数量や売上金額、粗利や粗利率を自由に作成できるから、「売れ筋、死に筋」を一目で把握できます。
営業本部長

いやいや、それなら以前もできていたじゃないか。

営業A
そうなんですけど、自分なりの分析をするまでのステップやスピードが全然違うんですよ。
営業C
そうそう。以前なら、集計が月末に締まって、月次のレポートが出てくるのは2週間後。その後に、IT部門にデータ抽出の依頼をかけて、それを各営業がさらに分析用のデータとして加工する…というステップでしたよね。
営業A
それが、今では、月末やレポートの後といったタイミングを考えなくても、自分ですぐに分析を開始できますからね。
営業本部長

ということは、新商品を投入した1週間後でも、すぐにその状況を確認できるってことか。

営業C
1週間といわず、極端な話、翌日でも大丈夫ですよ。思い立ったときにすぐに必要なデータを取り出して、簡単に加工できるところが、これまでと大きく違うところです。しかも、全社的な売上げだけでなく、新商品を自分の担当している店舗や取引先別に分析できますしね。
営業B
新商品といえば、こないだ販売を開始したキャミソールがありますよね。これについて新しい購買傾向がわかりましたよ。
営業本部長

よし、それじゃ早速、報告してくれ。

ここがポイント

自分で簡単に分析できることって、何がすごいの?

 R2営業部では、ものの数カ月で、各営業が徐々にデータを使いこなし始めているようです。そのキーワードとなっているのは、前回VOL.1でも紹介した「セルフサービスBI」です。一体、自分でデータを簡単に抽出・分析できることにどんなメリットがあるのでしょうか。それは大きく3つあります。




手間や時間の削減

 ひとつは、手間・時間が削減できることです。以前のR2営業部のようにIT部門にデータの抽出を依頼するケースは少なくないはずです。しかし、この場合「IT部門に依頼する」→「IT部門が抽出する」→「各自で加工する」という3つのステップを踏むことになります。その点、セルフサービスBIなら、必要なデータを直接自分のPCに取り込むことができるので、「各自で加工する」というフェーズから始めることが可能です。

新しい発見をもたらす

 「各自で自由に加工できる」ということは、全社視点ではなく、「自分に関係のあるデータだけを抜き出して分析できる」ということ。これを実践することにより、これまでと違った新しい発見をもたらします。「他の地域では、どの時期にどんな商品が売れているのか」といったことから、「キャンペーンの効果測定」や自分の担当する製品が「なぜ売れたのか」あるいは「なぜ売れなかったのか」まで、細かく分析をすることができます。通常、膨大な抽出データをもとにこうした分析を加えていくことは大変骨の折れる作業ですが、SQL Server 2008 R2 PowerPivot for Excelの場合は、豊富な機能がサポートしてくれるので、簡単に分析することが可能です。

スピーディに対策が打てる

 新たな発見といっても、それが1カ月後にわかっても意味がないことも多いでしょう。例えば、新製品の売れ行きを分析することは重要ですが、旬の時期が過ぎていれば、その分析結果を生かせなくなるからです。反対に、分析が早めに行えれば、それだけスピーディに対策を打つことが可能です。セルフサービスBIなら、すぐにキャンペーンや新製品の投入後の結果を判断して、新しい施策を打つことが可能になるため、機会損失を極小化し、売上げの最大化を図ることが可能になります。R2営業部でも、新しい発見をもとに、新たな対策を取ることにしたようです。

ページトップへ

Scene2,目からうろこが何枚も! “見えなかったもの”が見えてきた!

先日発売した新しいキャミソールについて、新たな購買傾向の発見があったと報告がありました。その発見とは一体何だったのでしょうか。

scene2
営業本部長

それで、どんなことがわかったんだ。
営業B
2週間前に発売した、このキャミソールですが、僕が担当する北関東エリアでは、あまり売れ行きが芳しくありませんでした。
営業本部長

何? 本当か? 販売店からは好調だという話を聞いているぞ。
営業B
はい。以前から気になっていたのですが、北関東エリアはどうもアイテムの売れ行きが他のエリアと違います。その理由がどこにあるのかと思って、今回、SQL Serverから抽出した販売データに、「天気」と「気温」という項目を独自に加えてみたんです。
営業A

え? そんなことまで、できるんですか。

営業B
はい。自分の手持ちのデータがあれば、自由に項目を追加できますよ。他にも、「祝日/平日」や「店員の数」という項目も追加してみたんですけどね。
営業本部長

おいおい、話が横道にそれているぞ。それで、どうだったんだ。

営業B
はい。やはりこのキャミソールは露出が多い分、販売時期と気候が関連しているみたいです。販売開始から2週間、北関東エリアは、平均気温が例年より3度も低かったうえ、雨の日も多かったんです。これが一番の原因だと思います。その証拠に、昨年モデルの厚手のカットソーがある程度、売れてますからね。
営業本部長
なるほど、まだこの寒い時期は、北関東エリアには他エリアのカットソーの在庫を移しておいた方がよさそうだな。
営業B
それから、他店に合わせて、白のキャミソールを店頭に飾ってしまったのもまずかったかもしれませんね。汚れやすいというイメージを与えてしまったかと…。実際、雨の日は、黒や紺といったアイテムの方が比較的好調ですから。
営業本部長

ほう、そうか。それなら、ディスプレーは日ごとに変えた方がよさそうだな。

営業B
はい、実はもう指示を出しています。それから、キャミソールだけではなくて、その上に羽織るカーディガンもセットにして、ディスプレーしてみました。そのおかげで、3日前からは、他の地域と同様に売れているようです。
営業本部長
ほう、これは、すごい。これだけ早く、仮説と検証ができれば、機会損失は最小限に食い止められるな。

ここがポイント

誰でも簡単に分析できる理由とは?

 R2営業部では、どうしてこんなに簡単にデータを分析できるのでしょうか。それは、PowerPivot for Excel 2010という、みんなが使いなれたExcelへのアドインツールが無償で提供されているからです。




 PowerPivot for Excel 2010 は、PowerPivot(パワーピボット)という名のとおり、従来の Excel の「ピボットテーブル機能」を大きく進化させたようなツールです。これを利用すると、Excelの関数を普段使いなれている人なら、専門的な知識や特別なトレーニングを行わなくても、様々な分析をウィザード形式でたどりながら、見栄えのよいデータ分析レポートを簡単に作成することができます(Excel 2010がインストールされていることが前提となります) 。

 例えばR2営業部のように、その店舗の「天気」や「気温」に関する項目を追加。その項目についてのデータをインターネットなどから取り込み、データベースから切り出したデータとのリレーション(関連性)を設定すれば、すぐに新しい観点からの分析が可能になります。

 他にも、その日の「店員の数」「店員名」「チラシの頒布の部数」など、店舗にしかない情報を自由に追加して分析することが可能です。このように各自が細かい分析を加えることで、詳細な単品販売分析が実現し、これまで疑問に思っていたことや仮説をトライ&エラーで検証していくことができるのです。

 また、抽出するデータは膨大になることが少なくありませんが、SQL Server 2008 R2 PowerPivot for Excelなら、数千万、億を超えるような行数のデータを取り込むこともできます。取り込む時点で繰り返し項目を圧縮しているので、Excel シートに取り込むよりもメモリーサイズは小さくて済みます。
データの分析で、様々なことがわかり始めたR2営業部。これに限らず、新しいキャンペーンに対するECサイトや通販カタログも含めたクロス集計を行うなど、様々な新しい施策も始めているようです。

動画の視聴には、Windows Internet Explorer、Windows Media Playerが必要です。正しく表示されない場合は、こちらから視聴してください。

R2営業部が、BI導入を考えたそもそもの課題とは?導入までのエピソードは、前回VOL.1で!
  • Vol.1 営業部編・前編
  • Vol.2 営業部編・後編
  • Vol.3 経営企画部編
  • Vol.4 IT部門編
Presented by Microsoft
ページトップへ