その昔、私が副社長を務めていた傘下のインターネット広告会社での事例です。 実際にメディアに広告を出稿する業務はパソコン上で行われますが、とても複雑かつ大量です。同社はこの業務工程の高速化に挑戦していました。すると、速さのトレードオフ(ひきかえ)に、発注操作の際の人為的ミスが増加してしまったのです。 それはあらかじめ織り込んでいたことでもあり、その後、優秀なメンバーの学習効果で人為的ミスは激減していきました。ただ、その過渡期にはミスをした担当者や周囲の人間に大きな負荷がかかります。そこで経営陣は、強いメッセージを社内に発しました。「いまミスが増えているのは、経営陣による時短改革のせいである。責任