日本の精緻な伝統美「根付」研究の大家はフランス人
蓮齋(れんさい)が作ったキノコと蛙。キノコの傘、柄、蛙の丸みが、なんとも滑らか。非常に密な傘のひだも美しい。傘の表面にある2つの穴に紐を通す。根付は、大名同士が会うときの手土産としても使われたそう(写真提供:特記以外すべてAlain Ducros) 拡大画像表示
(画像1/8)
パリ在住のアラン・デュクロ氏。手にした紐の上部に付いているのが根付。いかに小さいかがよく分かる。デュクロ氏のペンダントヘッドも根付だ。右手前に見えるのは、国際根付ソサエティから授与された「シルバーキリンのトロフィー」(筆者撮影)
(画像2/8)
左:眼文(がんぶん)の作。キノコと蟻。眼文はデュクロ氏のお気に入りの根付師の1人。右:是真(ぜしん)の作。絵画のようにしてカタツムリを彫ってある。「根付はお洒落を表現するアイテムとして使われていましたが、魔除けとしても考えられていたはずです」と語るデュクロ氏
(画像3/8)
卵の新鮮度をチェックするマレー人の根付 拡大画像表示
(画像4/8)
舟月(しゅうげつ)の刻印。月の字が明らかに目となっているのは、わざと舟目(しゅうぼく)にしたと考えられる。根付師のこういったアイデアを発見できるのもデュクロ氏ならでは
(画像5/8)
根付のモチーフは、しばしば間違って解釈されているという。「これは当時流行した象皮病のために、性器が腫れ上がった男性を表しているはず」とデュクロ氏は指摘する。玉に彫られた多数の小さな穴は毛穴を表現し、北斎が描いた象皮病の男性(右側)もその裏付けといえる 拡大画像表示
(画像6/8)
亮長(すけなが)作の梅の実。デュクロ氏によると、これは性器も表現していたという。根付はありとあらゆるデザインで作られて、各自が個性を表現するアイテムだった 拡大画像表示
(画像7/8)
パリのオフィスは古書や古美術で埋め尽くされている。デュクロ氏は日独交流150周年の根付シンポジウム以外にも、2008年にモナコで開催された日本美術博覧会を統括するなど大きなイベントに意欲的に関わっていて、日本の古美術への愛情は尽きない(筆者撮影)
(画像8/8)
日本の精緻な伝統美「根付」研究の大家はフランス人
この写真の記事を読む

本日の新着

一覧
なぜ参院選で「外国人敵視」の政党が人気を博しているのか?責任政党が受け止めるべき、いま日本人が抱く素朴な不満
【西田亮介の週刊時評】ラーメン1杯3000円、ビジホ2万円…日本社会に蔓延する恨みと嫉妬
西田 亮介
物価は上がるのに景気が冷えるのはなぜか?インフレでも財布の紐を緩めない日本人と日本経済に必要な「高圧経済」
【著者に聞く】『新型インフレ』の永濱利廣が語る、節約一辺倒のデフレマインドから脱却するには
関 瑶子 | 永濱 利廣
【書評】『Supremacy』〜生成AIの熾烈な開発競争の裏側で置き去りにされていった倫理の問題〜
評者:黒田 由貴子(ピープルフォーカス・コンサルティング創業者、多摩大学サステナビリティ経営研究所フェロー)
黒田 由貴子 <Hon Zuki !>
米アマゾン、地方へ「当日配送」拡大 新たに4000カ所、都市部との格差埋める
40億ドル超投資、AIで需要予測 ウォルマートなどに対抗、物流勢力図に変化も
小久保 重信
フォロー機能について

フォロー機能とは、指定した著者の新着記事の通知を受け取れる機能です。
フォローした著者の新着記事があるとヘッダー(ページ上部)のフォロー記事アイコンに赤丸で通知されます。
フォローした著者の一覧はマイページで確認できます。
※フォロー機能は無料会員と有料会員の方のみ使用可能な機能です。


設定方法

記事ページのタイトル下にある「フォローする」アイコンをクリックするとその記事の著者をフォローできます。


確認方法

フォロー中の著者を確認したい場合、ヘッダーのマイページアイコンからマイページを開くことで確認できます。


解除方法

フォローを解除する際は、マイページのフォロー中の著者一覧から「フォロー中」アイコンをクリック、
または解除したい著者の記事を開き、タイトル下にある「フォロー中」アイコンをクリックすることで解除できます。