クルマが「自律的」に走るとき、
自動車業界はどうなっているのか

自動運転が実現するまでの道のり(その1)
2014.2.28(金) 両角 岳彦 follow フォロー help フォロー中
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2013年秋、ITS世界大会の東京開催を前にトヨタが先進技術発表会で公開した「自動運転技術」の試験車両。レクサスLSにセンサー類などを満載している。車速の調節はクルーズコントロールと自動ブレーキの機能、進路の維持は電動パワーステアリングの機能を使ったレーンキープアシストをそのまま応用するだけで、コンピューターの判断に従った運転操作は容易にできるのが、今のこうした市販車である。(写真:トヨタ自動車)
ITS世界大会・東京を前にトヨタ他のITS開発に参画している企業によるデモ走行が実施されたが、その際に首都高速道路を先進技術実装車両が走行した1シーン。これらのデモは「アダプティブクルーズコントロール」と「レーンキープアシスト」を組み合わせて認知判断と制御の機能を多少強化したものにすぎなかったのだが、日本のメディアは「自動運転」「明日にも実用化」という稚拙な報道に終始した。(写真:トヨタ自動車)
こちらはレクサスLSに自動操縦機能を追加した車両(前出)がテストコースで「人間が運転操作を加えずに」走行している、という室内の状況。(写真:トヨタ自動車)
ITSの技術開発の中で「隊列(プラトゥーン)走行」は各国がずっと取り組んできているテーマの1つだが、ヨーロッパではPROMETHEUSプロジェクトの中ですでに大型トラックを「ロードトレイン」化する社会的メリットに着目、一般道路での実証実験まで行っていた(日米は乗用車で。日本でここ数年、トラックの隊列走行技術開発をテストコースで実施)。最近は新たに『SARTRE(SAfe Road TRains for the Environment)』というプロジェクトが進行中で、その命名どおり「隊列(プラトゥーン)走行」をより現実的な形にすべく開発を行っている。その中で隊列への「合流」と「離脱」も重要なポイントとして着目されている。特に隊列からの離脱、それまで車内で別のことをしていたドライバー自身が運転を引き継ぐ瞬間は、多くの危険性が潜んでいる。こうした「人間=車両=道路」の部分自動化の難しさに着目した日本の研究開発はほとんどないのが実情。(図版:Volvo Car Group)

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