「非コモディティ化」なる意味づけに疑問符が付く「ハチロク」
トヨタの「86」。スバル「BRZ」も含めてトランスミッションやタイヤが異なる6台を「味見」しているが、基本的な「動質」は本文に記した通りでトランスミッションによる「蹴り」のダイレクトさの違いが大きい。この写真は上級グレードの「GT」でタイヤは偏平率45%だがミシュラン製で舵の応答や路面を踏む感触の「角」が少しマイルドになる。(筆者撮影)
(画像1/4)
86を真横から「透視」してエンジン、駆動系、走行機能要素の配置を見る。後輪(ファイナルドライブ)に向かって伸びる駆動軸(プロペラシャフト)がかなり前上がりで、トランスミッションの下に空間があるのが分かる。もともと前車軸よりも前に載せるレイアウトに適合した水平対向エンジンを、何も工夫せずに「普通の」直列やV型の既倒配列を持つエンジンと同じ位置まで「後退」させて積むとこういう形になる。(図版:トヨタ自動車)
(画像2/4)
スバルの現用世代・水平対向エンジンに吸気管とシリンダー内にそれぞれ別に燃料を噴射するトヨタ流「D-4」燃料噴射を組み合わせた。気筒内直噴だけで十分なのだが。写真は車載状態では後面になる側で、中央の大きな円がクラッチが付く出力部分。その中心がかなり高い位置になっていることが分かる。すぐ近くで前輪が受け止める重量物の高さやエンジンの中で往復し回転する運動部品の車両運動への影響を考えると、出力軸はもっと低くしたい。直列やV型の気筒配置ならばそれができる。(筆者撮影)
(画像3/4)
6速マニュアル・トランスミッションのカットモデル。自動車用変速・伝達メカニズムの最新トレンドを知る人々には「古色蒼然」とした設計、造形だという見解に合点してもらえると思う。本来、この機構は伝達損失が最も小さくできて、エンジンから駆動輪まで回転力をダイレクトに伝えるからこそ、「ドライビングというスポーツ」にも適するのである。ルーズなATに疑問を抱かず、CVTにうつつを抜かしている間に、駆動機構の設計と車両適合(アプリケーション)の両面で日本は大きく後れを取ってしまった。(筆者撮影)
(画像4/4)
「非コモディティ化」なる意味づけに疑問符が付く「ハチロク」
この写真の記事を読む

本日の新着

一覧
年間8万人を超える失踪者はどのように生きているのか?彼らの人生が映し出す死ぬよりも逃げるという選択肢
【著者に聞く】『ルポ失踪』の松本祐貴が語る、失踪したそれぞれの理由とその後の人生
長野 光 | 松本 祐貴
【ウナギの闇】ハイチでは麻薬ビジネスのマネーロンダリングに利用も、資源管理には大消費国・日本の責任が大きい
ワシントン条約の規制は免れたが、求められる厳格管理と資源回復に向けた方策
志田 富雄
【原油ウォッチ】ウクライナの水上ドローンがロシアのタンカー攻撃、それでも「供給過剰」懸念で価格急落は近い?
藤 和彦
「日本版DOGE」は生命保険料控除に切り込むべき理由、年末調整の時期に考えたい保険料控除の話
【ミニマル金融のススメ】
我妻 佳祐
フォロー機能について

フォロー機能とは、指定した著者の新着記事の通知を受け取れる機能です。
フォローした著者の新着記事があるとヘッダー(ページ上部)のフォロー記事アイコンに赤丸で通知されます。
フォローした著者の一覧はマイページで確認できます。
※フォロー機能は無料会員と有料会員の方のみ使用可能な機能です。


設定方法

記事ページのタイトル下にある「フォローする」アイコンをクリックするとその記事の著者をフォローできます。


確認方法

フォロー中の著者を確認したい場合、ヘッダーのマイページアイコンからマイページを開くことで確認できます。


解除方法

フォローを解除する際は、マイページのフォロー中の著者一覧から「フォロー中」アイコンをクリック、
または解除したい著者の記事を開き、タイトル下にある「フォロー中」アイコンをクリックすることで解除できます。