日本車の品質は本当に「世界一」なのだろうか?

2010.2.5(金) 両角 岳彦 follow フォロー help フォロー中
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「アクセルペダルの戻りが悪い」リコールの対象車種には、「米国で最も多く販売されている乗用車」とされる「カムリ」の2007~2010年モデルも含まれる。北米市場には、ケンタッキー工場(TMMK)で製造した車両が供給されている。「レクサスES350」も機構面は同一車種と言ってよいが、生産は日本の九州工場。フロアマット問題では槍玉に挙がったが、アクセルペダルモジュールのリコール対象ではない(写真提供:Toyota Motors Sales, U.S.A.)
米国人が好むジャンル、かつ、GM、フォード、クライスラーが利益の多くを稼ぎ出していた「フルサイズピックアップ」に参入すべく送り出した「ツンドラ」。全長5.3~5.8メートル、全幅2メートル、全高1.93メートルという巨体に4L・V6、4.6Lと5.7LのV8を積む。これも今回のリコール対象。インディアナ工場(TMMI)およびテキサス工場(TMMTX)で製造(写真提供:Toyota Motors Sales, U.S.A.)
インディアナ工場の「ハイランダー」(日本名:ヴァンガード)組み立てライン。この写真はダッシュボードモジュールを室内に入れて組み付ける工程である。ペダルは車体の車室前面隔壁側に取り付けられている。アクセルペダルモジュールを納入している米CTSの本社もインディアナ州にある(写真提供:Toyota Motors Sales, U.S.A.)
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今日の自動車用ガソリンエンジンでは、アクセルペダルと吸気通路のスロットルバルブの間に機械的連結はない。ペダルの動きをセンサーで検出、その信号に応じてコンピューターがスロットルバルブを動かす電動モーターに制御電流を送るのである。したがってペダルが戻らない場合の対策を織り込むことは可能。DENSO(英語版)ホームページより
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「レクサスES350」北米仕様の運転席回り。アクセルペダルが吊り下げ式で、標準仕様のフロアマットはその直下の部分を切り欠いた形状にしてあるのも分かる。後方のシート前部分には固定ピンもある。ここに厚みのあるマットを置くのは、常識的に言って危ないのだが・・・(写真提供:Toyota Motors Sales, U.S.A.)
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「BMW 5シリーズ」(現行モデル)の運転席。アクセルペダルは床側に支点を持つ「オルガン式」。裏側には上から吊り下げられたレバーが接合していて、その回転軸部にストロークセンサーを組み込んであるのは「吊り下げ式」の場合と同じ。踵を床に着けて足首を回転させつつ踏み込む動きに対して、ペダルと足裏の滑りが少なくてすむ。ブレーキとクラッチは上支点の方が足の動きに合う。ここでもフロアマットはアクセルペダル部分を切り欠いた形状(写真提供:BMW)
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米CTS・自動車部門のウェブサイトより。アクセルペダルモジュールの製品紹介ページ。アクセルペダルモジュールは左端、そして右から2つ目(ペダルアームなどを樹脂化した新世代)。その中間の、円盤からコネクターが生えた部品が、支持(回転)軸部に組み込まれるストローク(回転角)センサー。CTS Corporationホームページより
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2月2日にようやく公表された「アクセルペダルの戻りが悪くなる」トラブルの問題発生部位と改修策。
ペダルの支持・回転軸に軽い摩擦を加えるべく、滑りブロック(左側の黒い部分)と短い腕(黒白の丸を軸に揺動する)が組み合わされている。足を離した時に「バタンと戻らない」ようにするためのものだろう。
右側の取付面(車室前面隔壁)の反対側は、エンジンルームで排気管もすぐ近くを通る。ペダル軸回りもその熱を受ける中で結露が起こるなどして、磨耗や変形が発生すると、稀にペダル軸部の接触部位が噛み込んで動きを妨げることが起こる(左図)。
それを回避すべく、揺動する腕の裏側に薄い鋼板小片を追加し、固定ブロックとの滑りを良くすると同時に、ペダル軸との噛み合いを浅くする(右図)。
パッチワーク的対策だが、一体化されたモジュール内部を加工するのは困難だし、ペダルモジュール全体を取り外して交換するとなると、計器板まで含む室内前部を分解する必要があるはずで、きわめて大がかりで、時間もコストもかかる作業になってしまう(図版提供:Toyota Motors Sales,U.S.A.)
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