「あれ、臭くない」 私が、小樽運河の変化を感じた瞬間の記憶だ。 両親が共に小樽出身であったので、幼少期には夏と年末年始に帰省していた。東京に生まれ育った私にとって、運河の風景は近所では見られないものであり、祖母の家に戻ってきたと感じる風景だった。 ただ、幼少期の頃、運河はとても良い風景ではあるものの、臭いが強いものだったのだ。ところがある時、臭いが消えた事に気づいた。 運河から臭いが消えたタイミングは、小樽が急速に観光地となっていった記憶と重なっており、帰るたびにまちが変化していることを強烈に感じさせた。いわば、私は幼少期に小樽というまちを定点観測していたともいえる。 小樽に帰ると定番のコースが
臭かった小樽運河、今でこそ日本を代表するブランド観光地の前史とは
日常生活で使われていた経済施設が、なぜブランドになったのか
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