長年の愛読者の皆さんはありがたいもので、「毎年ノーベル賞の解説を楽しみにしています。今年の結果についてぜひコメントを伺いたい」という趣旨のリクエストをいくつかいただきました。 思い返せば2008年、日経ビジネスオンライン連載「常識の源流探訪」で、南部陽一郎先生+小林誠・益川敏英両教授が得られたノーベル物理学賞について解説したのが始まりでした。 私は素粒子の専門家ではありませんが、物理をかじったことのある人なら誰でも記せる程度の平易な解説を記したところ、大変好評でした。 そこで、ただちに集中連載の体制を組み、授賞式に間に合うように「日本にノーベル賞が来る理由」を出したのがきっかけで、しばらくの間