過去1年間でロシア・ルーブルほど冴えない展開をたどった通貨はほとんどない。 昨年9月には、1米ドルで買えるのは60ルーブルを少し超える程度だった。最近ではほぼ100ルーブルが手に入る(図1参照)。 ルーブル安は、強い通貨と強い国家を同一視する一般のロシア国民にとって象徴的な打撃であると同時に、ロシア国内の緊張の原因にもなっている。 昨年には中央銀行と財務省が緊密に連携するなどロシアの政策立案者の間にコンセンサスが存在したが、このルーブル安のせいで吹き飛んでしまった。 今では、インフレが加速して経済成長が減速するなかで、中央銀行と財務省が敵対するようになった。この反目の行方にかかっているのは、戦