わずか2語から成る表現が、尊大で事実に照らして不正確で、形容として矛盾し、政治的な二極化の触媒になるとしたら、かなり大したものだ。 だが、「グローバルサウス」という有害無益な用語はそれをさらりとやってのける。 この表現は植民地が次々と独立した後の議論に、特に米国の活動家カール・オグレズビーがベトナム戦争について書いた論考にルーツがあるようだ。 だが、近年、所得が比較的少ない国すべてを指す用語に格上げされ、最も貧しい「後発開発途上国(LDC)」から「BRICS」と称される中所得の大国――そこには中国とロシアという、巨大な帝国だった時代の伝統を今も引き継ぐ国も入る――まで網羅した概念になっている。