ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーが姿を現しても、観客が沸いているようには見えなかった。「ワム!」が西側のポップグループとしては初めて共産主義の中国でコンサートを開いた時、聴衆は席を離れないよう指導されていた。 これは1985年の話で、会場の若者たちはその様子とは裏腹に公演を楽しんでいた。 彼らの住む国は決して自由ではなかったものの、改革と開放に乗り出し始めていた。その後30年間、経済は高度成長を遂げ、新たな機会を生み出していった。 外国旅行や留学をする人も増えた。共産党でさえリラックスする兆しを(ほんの少しだけ)見せた。 この時代に育った人々は、未来に向けて大きな希望を抱いていた。