その日、静かな山あいの町には、どこか浮かれたような雰囲気が漂っていた。 新年度を迎えたばかりの4月2日、徳島県神山町では、とある学校の入学式が開催されていた。木の香りが漂う真新しい円形講堂には、北は北海道から南は沖縄まで、全国から集まった44人の若者が集まっている。 その学校は、昨年8月に設置認可を受けたばかりの新設校。しかも、「デザイン・エンジニアリング学科」だけの単科高専(高等専門学校)で、ソフトウェアやAI(人工知能)などの情報工学をベースに、デザインや起業家精神について学ぶという少し変わった学校だ。 目指す学生の姿は「モノをつくる力で、コトを起こす人」。 今の時代、新しい製品やサービス
起業家育成をうたう「神山まるごと高専」、なぜ消滅可能性都市に誕生したのか
地方創生で注目される徳島県神山町、その独自のまちづくりを分析【前編】
2023.4.3(月)
篠原 匡
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