1年前の2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻した。プーチン大統領は、この「特別軍事作戦」が短期に完了するという見通しであったし、世界もまた、そのように予想する者が多かった。しかし、その「期待」は裏切られ、すでに1年が経過したのである。 なぜ戦争が長期化しているのか、また、今後和平の可能性はあるのか、検討してみる。 プーチンが見誤ったのは、ゼレンスキー政権の強さである。 ソ連は、1945年のヤルタ会談で、ポーランドからガリツィア(ハリチナー)や西ヴォルイニ・ポリッシャ地方、ルーマニアから北ブコヴィナ地方、チェコスロバキアからザカルパッチャ地方などを割譲された。スターリンは、これらの新たに獲得し