新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まってから2年半以上もの時間が経過した。この間、世界中で何回も感染の波が襲来し、ウイルスは変異を続けながら感染力を増してきた。 一方、人間の側では、医療の逼迫や社会経済の混乱をできるだけ小さく抑えるよう、感染拡大防止策をとりつつ、治療薬やワクチンを開発・導入して対応してきた。その結果、現在、感染の脅威は流行当初に比べて軽減しつつある。 いま、欧米諸国を中心に感染対策を撤廃したり大幅に緩和したりするケースが広がっている。欧米の都市では、マスクを着用せずに日常生活を過ごす人のほうが大多数になっている。もはや人々の間ではコロナ禍は過去のものとなりつつあるのだ