スタートアップが押さえておくべき「4P/4C理論」

マーケティング戦略を実行に移すためのフレームワーク

松ヶ枝 優佳/2018.12.20

いいね ツイートする
マーケティングの基本といわれる「4P」や「4C」とは何なのか。基本的な考え方を押さえておこう

 多くの企業にとって事業を成功させるために不可欠な要素の一つ、マーケティング戦略。特に、市場での地盤が固まっていないスタートアップにとっては、企業の生存をかけた重要なテーマとなることも多いだろう。

 マーケティングの手法や考え方は多岐にわたるが、今回は戦略の立案や実行に使える代表的なフレームワーク、「4P/4C理論」について解説する。真に顧客から求められる製品やサービスを生み、売れ続ける仕組みを作るにはどうしたら良いのか、考えていこう。

スタートアップにこそ必要なマーケティング戦略

 4Pや4Cは、マーケティング戦略を実行に移す際に具体的な施策を考えるために使われる「マーケティングミックス」という考え方の代表例。マーケティングミックスでは様々な手段を適切に組み合わせることによって、目標として設定された売上や市場占有率などの達成を目指す。その代表的な要素が「4P」、そして「4C」と呼ばれるものなのだ。それぞれの構成要素を見ていこう。

 ジェローム・マッカーシーが提唱した4Pは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」の4つの「P」から成る、“企業”視点に立った考え方を指す。お互い密接に関係し合う4要素が効果的に組み合わさっているかどうかを考え、相乗効果を狙うというものだ。

 一方、4Cは「Customer value(顧客にとっての価値)」「Customer cost(顧客の負担)」「Convenience(顧客にとっての入手容易性)」、「Communication(顧客とのコミュニケーション)」の4つの「C」で構成される。以下のように4Pを“顧客”の視点に置き換えたのがこの4Cの考え方で、ロバート・ラウターボーンによって提唱された概念である。

・Product(製品)→Customer value(顧客にとっての価値)
「Product」は製品自体の魅力であり、顧客視点に立てば「Customer value」として自身にとってどのような価値を持つものなのか、という観点である。

・Price(価格)→Customer cost(顧客の負担)
「Price」は製品の値付けであり、顧客視点に立てば「Customer cost」、すなわちどの程度の負担を要するものなのか、という観点である。負担に見合うだけの価値があるかどうかを問われることから、往々にして「Product」(Customer value)との組み合わせで考えられるのは想像しやすいだろう。

・Place(流通)→Convenience(顧客にとっての入手容易性)
「Place」は製品の流通をどうするかということであり、顧客視点に立てば「Convenience」、つまりどれくらい手に入れやすいかという観点になる。入手のしやすさを追究する場合もあれば、戦略的に入手経路を限定して製品の価値向上につなげる場合もある。後者の場合は「Promotion/Communication」との組み合わせで考える必要があるだろう。

・Promotion(販売促進)→Communication(顧客とのコミュニケーション)
「Promotion」は商品をいかにして認知・販売促進を進めるかということ。顧客視点に立てば「Communication」ということで、企業と顧客の接点をどのように持ち、どのようなコミュニケーションを図っていくか、という観点になるだろう。

 このように4Pも4Cも注目している4要素は本質的に同じといえるが、効果的なマーケティングを行うには双方の観点から考えることが重要だ。特に「顧客中心時代」と呼ばれる今、新たに起業しようと思うなら顧客視点である4Cの概念は押さえておきたい。