「Latitude 59, 2018」の会場風景。

 日本のオープンイノベーション促進には何が必要なのか? 通商産業省/経済産業省で貿易振興、中小企業支援などに携わり、現在はベンチャーエンタープライズセンター理事長を務める市川隆治氏が、諸外国の実例とデータに基づき、オープンイノベーションの環境について議論を重ねていく。(JBpress)

【第4回】「日本の30年先を行くエストニアのプログラミング教育」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54268

エストニアのベンチャーの祭典

 前回はエストニアの教育改革について述べたが、2018年5月のエストニア訪問の主目的であるベンチャーイベント「Latitude 59, 2018」*1についても紹介しておきたい。

「Latitude 59」は起業家と投資家など(エンジェル、ベンチャーキャピタル、法律家など)の出会いの場として、エストニアの首都タリンで毎年春に開催されるベンチャーイベントで、2018年は第11回目となる。

 主催者は非営利団体「MTÜ Latitude59」で、参加者は2000人。総勢101人が競ったピッチの優勝者には、1万ユーロの現金、2週間のシリコンバレー視察、法律事務所による法律カウンセリング、17万ユーロのNordic Angel Programからのシード投資が贈られた。

*1:“Latitude 59”=北緯59度の意味。

会場のKultuuri-katelは、1913年から79年まで中央火力発電所だった建物で、大きな煙突も残っている。

 5月24~25日にエストニアの首都タリンで開催されたベンチャーの祭典「Latitude 59, 2018」は、驚きの連続であった。