【6】給料が安い

 賃金の上昇ベースは業種・職種によって異なるので、一概に比較はできないが、「大学の同期と比べて年収が低い」と悩んでいるようなケースもあるかもしれない。最近はウェブ上で企業の年収事情が簡単に閲覧できることもあり、他人の年収が目に見えて分かる。隣の芝生は青い・・・とはいえ、ほかの人がいくらもらっているのか気になってしまうのは当然だ。

 もし後輩が給料の高い会社への転職を検討している場合、上司・先輩としてできることは「現職での経験が次の会社への転職につながる」ということを伝え、まずは今の仕事に集中して取り組んでもらうよう指導することだ。今の仕事で実績を積んでもらい、その上で現職に留まるか、転職をするか本人に決めさせるのだ。給与を上げるためには、それ相応の実績と経験が必要であることも伝えるべきだろう。

【7】自分のやりたい仕事とは違う

 新人の多くは心の中で「自分のやりたい仕事とは違う」と思っているものだ。もちろん、実績もないのに最初から自分のやりたいことをやれるのは稀だ。私は20代で3回転職したが、その経験から言えることは、若いうちは地に足をつけて1つの会社でスキルアップを目指したほうがその後の人生に良い影響を与える、ということだ。

 ただ、学生時代からやりたいことが決まっていて、一生その仕事に捧げたいというものがあるのであれば、その道へのキャリアチェンジを応援してあげたい。もし本当にやりたいことがあるならば、その道を進ませるべきだろう。転職とまではいかなくても、部署異動するなど、社内でもできることはあるはずだ。

 上司・先輩社員は、現職に留まってもらうように指導するだけではなく、若手社員がその後どういった人生を送りたいのかまでを念頭に置き、広い視野でアドバイスしてあげたい。

自分のときはどうだったのか?

 今は上司・先輩である皆さんも、20代の頃はたくさんの壁にぶつかったと思う。以上の7つの悩みは、皆さんも覚えがあるはずだ。そのとき、自分は上司や先輩からどんなアドバイスをもらったのか? 自分はどうやって乗り越えたのか? それを思い出しながら、ぜひ若手をフォローして育てていただきたい。