挫折を乗り越えた「考え方の転換」

 以上の私の取り組みは「会社勤めじゃないからできるんだろう?」と思われるかもしれません。そんなことはありません。会社勤めの方でも楽しんで仕事をすることは、もちろん可能です。

 以下は最近、Aさんというあるクライアントの方から聞いたお話です。その話を聞いて、私はとても嬉しくなりました。Aさんはこう言っていました。

「若い頃、自分は仕事ができる人間だと思ってきました。実際、誰よりもできていたと思います。口には出しませんが、質も量も『どんなもんだ!』と周りを圧倒して達成感を覚えていました。

 けれど、ポジションが上がって、周りの期待値が高まっていくと、だんだんそれに応えられなくなっていきました。そんな自分に愕然とし、苦しい時期が続きました。

 それが最近は、『できない』自分を受け入れたうえで『仕事を楽しもう』と思えるようになったんです。昔は『達成する』ことだけにやりがいを感じていたのですが、今は、仕事を楽しむ視点を持てるようになりました。そのおかげで充実感を覚えています」

 Aさんは、かつては自分だけですべてをこなそうとしていましたが、今は周りを巻き込んで、助けてもらいながら仕事をしているようです。まさに「楽しむ」という視点を入れたら変化が起きた例です。

 本当につらくて逃げ出したいような職場ならば無理に楽しむ必要はないと思いますが、「なんとなくやりがいを感じない」「お金のためだけに働いている」ような場合には、「どうしたら楽しく仕事ができるだろう?」と、ぜひ自分に問いかけてみてください。日々の働き方、充実感が大きく違ってくるはずです。