JR中央本線・勝沼ぶどう郷駅から徒歩5分ほどの旧・大日影トンネル(以下、大日影トンネル)が竣工したのは明治35(1902)年。翌年、東京から甲府までの鉄道が開通し、平成9(1997)年に列車の高速化のため新線トンネルに切り替えられるまで特急、急行列車が頻繁に通った。 平成19(2007)年に甲州市により遊歩道として整備されたのが、今回紹介する「大日影トンネル遊歩道」だ。 中央本線は、五街道の一つ、甲州街道が通るわが国の要衝ルートに開通した幹線で、東京の西端にあたる高尾から甲府盆地にかけては険しい山々が連続する。その区間には、大日影トンネルと同じ明治35年に竣工した当時日本最長の笹子トンネル(4