富山県魚津市、青い稲穂が広がる水田の一角に、日本一美しいと言われる「東山円筒分水槽」がある。円筒中央部にある小さな黒い穴からあふれ出た水は、円筒の縁を越えて下の水路に勢いよく流れ落ちていく。 動画のロングバージョン(4分39秒)はこちら。 気温が30度を超える夏の暑い時期でも、円筒分水の近くにくるとひんやりとした空気があたりを包む。涼をとるための噴水のようにも見える円筒分水は、農作物の生育に欠かせない水を、農地の広さに応じて分配する設備だ。 取水源の片貝川(かたかいがわ)の水が、サイフォンの原理で円筒分水の中央部から吹き出す。円筒の外縁は定められた割合で3つに分割されていて、外縁を越えた水が別