4月10日の米WTI原油先物価格(原油価格)は前日比0.98ドル(1.1%)高の1バレル=86.21ドルで取引を終了した。「中東情勢が悪化し、同地域からの原油供給に悪影響が及ぶ」との見方から「買い」が入った。 まず、いつものように世界の原油市場の需給を巡る動きをアップデートしておこう。 ウクライナ軍の製油所へのドローン攻撃はロシア経済に大きな打撃を与えている。 製油能力の14%が失われたことでロシアのガソリン価格が上昇し、経済全体のインフレ圧力が高まっている。だが、西側諸国の制裁のせいで修理に必要な設備・部品が調達できず、製油所の操業再開が遅れる可能性が高まっている*1。 ロシアはやむなくカザ