大学を卒業して数年後、僕はブルネイ王国で石油の探査エンジニアになるためのトレーニングを受けていた。 その会社は、新卒でも手取り1000万円ぐらい払っている会社で、社長の給料は3億円といった「やる気」のあるやつにとってはあこがれの的の会社だった。 世界中から優秀な人材を集めるために、採用枠は全世界で200人。国別に、前年の売上比率によって、その200人の枠をあてていく。日本からはその年、僕を含めた2人が採用された。 全員を集めての入社式というのはなく、16人ずつのグループに分けられ、僕らはシンガポールのホテルで、厚さ4センチほどある書類群に次々とサインさせられた。 途中、インド人のサンディープが