米WTI原油先物価格はこのところ1バレル=72ドル前後で推移している。 米英両軍が1月11日、紅海で相次ぐ商船攻撃への報復措置としてイエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を攻撃した。「中東情勢の一段の悪化が原油供給に悪影響を与える」との見方が広がり、原油価格は一時、1バレル=75ドル台に上昇したが、その後、72ドル台に下落した。原油市場に対する根強い需給悪化懸念が相場の重荷になっているからだ。 まず供給サイドの動きから見てみたい。 米国の原油生産量は日量1320万バレルと過去最高に近い水準を維持してきたが、厳しい寒波の襲来でノースダコタ州の原油生産量が日量28万バレル落ち込んでいる*1。米エ