食の欧米化とともに食卓から姿を消した昆虫でしたが、逆に欧米から昆虫食の波が押し寄せてきました。その象徴的な事件が2013年に国連食糧農業機関(以下FAO)が出した報告書でした。『食用昆虫―食料と飼料の安全保障のための展望』と題するこの報告書の執筆主体は、食料と農業の分野で著名なオランダのワーゲニンゲン大学でした。 執筆者の一人だった当大学の昆虫学者アーノルド・ヴァンフィスは、報告書をまとめた動機について次のように語っています。 熱帯地域の害虫駆除や生物農薬の研究をしていたヴァンフィスは、アフリカの多くの国や地域を巡って昆虫利用に関する聞き取り調査をしたところ、その多くが食用昆虫に関するものであ
コオロギは地球にやさしい新たな栄養源?「昆虫食」は美食事業になれるのか
負の昆虫観を覆すFAO報告から10年、欧米では「すぐれた代替食」と認識
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