東京・上野の国立科学博物館で開催中の「和食」展に行ってきた。科学の眼から和食を探求するというテーマは興味深いものだったが、残念なことに、肝心の和食を見る眼が古めかしいという印象は否めなかった。 特に残念だったのが寿司に関する展示だ。 江戸の寿司屋台を原寸大で再現し、「意外に知らない寿司ネタ」を図解するなど、かなりのボリュームを割いていたが、その一方で、いま世界各地で楽しまれている寿司については、スナップ写真のパネルだけ。 この半世紀、世界でもっとも人気を得た日本料理は寿司だ。その広がりは、カリフォルニアロールをはじめ現地でローカライズされたユニークな寿司がリードしてきた。その現象が、いかにもそ
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