旧約聖書『創世記』11章に、有名な「バベルの塔」の話が登場する。人類が一致団結して天まで届く塔を建設しようとするが、神は人間の驕りに怒り、それまで一つであった言語をいくつにも分けてしまうことで、人間同士が話をできないようにしてしまう。結局、人類は塔の建設を断念し、世界中に散り散りになってしまう――という物語だ。 この話は、人間の技術力に対する過信に対する戒めとして、現代に生きる私たちも胸に刻むべきだろう。ビットやバイトのテクノロジー、すなわちインターネットやスマートフォン、そしてAIといった目もくらむようなデジタル技術の数々によって、私たちはある意味、現代のバベルの塔を建てようとしている。 こ