本連載では、激動の地政学動向において企業が取り組むべき「5つの指針」を示している。前回「地政学リスクはあらゆる企業の「自分事」に」では、「経済安全保障」にかかる規制が先端技術だけでなく、汎用品にまで広がっていることを述べた。 今回は、指針2「変化し続ける「パッチワーク型」規制に対応する体制を構築せよ」について語る。「もう法務部だけでは、通商ルールへの対応が間に合わない」 2023年に入って、急速にこうした焦りの声が多く聞かれるようになった。理由の一つは、ごくシンプルに法務や貿易管理の部門が「忙しい」というもの。「遵守しなければいけない新たな規制が急に増えた」という背景によるものだ。規制対象の「