(前編からつづく)岱崎出丸をひとわたり歩いたら、国道1号線を横切って西ノ丸へと向かおう。西ノ丸は、1590年3月29日の攻略戦で徳川勢が担当していた場所だ。 西ノ丸の外側をめぐる遊歩道を上ってゆくと、巨大な空堀が口を開けて待っている。ここも出丸と同じ障子堀だ。いや、出丸の堀より幅が広い分、障子のパターンも複雑である。西ノ丸の障子堀はよく「ベルギーワッフルみたい」といわれる。でも、よーく見てほしい。 ベルギーワッフルの目は縦横等間隔の十字型だが、西ノ丸の障子は十字型になっていない。T字の組み合わせでできており、ベルギーワッフルよりはテトリスに近い。これは、敵に障子の上を歩かせないための工夫だ。うっ