いまも土葬が続いている地域はどこにあるのだろうか。筆者が土葬したばかりの墓を最後に取材したのが、2018(平成30)年のことだ。聞くところによれば、関西の複数の地域で、まだ細々と土葬が続けられているらしい。 そのひとつが、三重県伊賀市の小杉集落だ。忍者の里として知られる小杉集落は、かつて甲賀忍者との勢力境界にあったとされる場所だ。滋賀県との県境、鈴鹿山地の奥深くに村落を形成している。 あたりにはコンビニやスーパーなどの類は見当たらない。斜面につくられた美しい棚田、そして、昔の面影を残す蔵や農家がぽつりぽつりと建っている。今でも忍者がすっと出てきそうな風情である。 江戸期の小杉集落は130戸あっ
日本の「土葬」は絶滅したのか?通底する「丑の刻参り」などの土着的風習
絶えゆく土葬文化は、樹木葬や海洋散骨の死生観にも通ずる
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