「君たちが合格できたのは、父親の経済力と、母親の狂気……」 中学受験の熾烈な戦いを描いた漫画『二月の勝者』の冒頭の名セリフである。この国では、父親の経済力が子どもの将来を左右する。 金がなければ戦争はできない。受験戦争もまた然り。 では、教育費が捻出できない家庭はどうなるのか。地方都市ではしばしば、子どもの将来のために副業をする父親に出会う。「副業を始めた頃は二人の子どもが小学生で、塾や習字・ピアノ・スイミングなど、いろいろな習い事をさせていました。月に6〜8万円はかかっていたと思います」 こう話すのは、サラリーマンのかたわら夜の冷凍倉庫で副業をするHさん(50)。関西の大都市圏に住むHさんの本