天正5年(1577)9月23日夜間に加賀で戦われた手取川合戦の翌年3月13日、上杉謙信は越後春日山城で、突然の腹痛を伴う内臓疾患に見舞われて急死する。享年49。 ところでもし謙信が、あと少しだけ健康に生きながらえていたら、どうしていたであろうか? これは謙信ファンのみならず、誰もが想像するIFであろう。 一次史料によると、謙信は、天正6年(1578)正月に越後衆・関東衆、ならびに加賀・能登・越中衆に対して大掛かりな「陣触」を発していた。 大掛かりな遠征の準備である。 日本無双の采配を誇る謙信が、天下一を謳われる軍士を率いる。これだけでも脅威であったのに、手取川に勝利した上杉軍は、かつてない圧倒