孝明天皇の崩御直後から、毒殺説は囁かれていたらしい。それがはっきり分かるのが、イギリス外交官として活躍したアーネスト・サトウの証言である。「天皇陛下は天然痘にかかって死んだという事だが、数年後、その間の消息によく通じているある日本人が私 (サトウ)に確言したところによれば、天皇陛下は毒殺されたのだ」(『一外交官の見た明治維新』)と明言している。 その理由としては、「外国人に対していかなる譲歩を行う事にも、断固として反対してきた。そこで、来るべき幕府の崩壊によって、朝廷が否応無しに西欧諸国と直接の関係に入らざるを得なくなる事を予見した人々によって、片付けられたというのである」とする。しかし、既に