少子化がとどまることなく、私たちは深刻な高齢社会に直面している。子どもの数が減れば、深刻な労働力不足をもたらすばかりか、人口全体の減少によって、経済社会は活気を失っていく。また高齢層の割合が増えることで、年金制度は破綻に近づき、医療保険や介護保険などの社会保障費が増大していく。 少子化は、日本が抱える最も大きな社会問題といってよいだろう。少子化に悩まずに済んだ時代がうらやましくなるが、かつて大正時代の日本はむしろ「多子化」に苦しめられていた。 令和3年に生まれた日本人の子どもは81万1604人。これは、データがある明治22年以降では最少の数である。これで6年連続の減少となり、少子化に歯止めがか