かつて世界中の人々に恐れられた天然痘。日本でもたびたび大流行し、多くの人命を奪った感染症だ。ワクチンの開発によって撲滅された病気だが、そこに至るまでは多くの医療者の決死の努力があった。佐野鼎と同時代に生きた幕末の医師・黒川良安もその一人だった。