マツダよ、先人の「知」を生かし我が道を進め

日本車が元気になるための処方箋(マツダ篇)
2011.8.17(水) 両角 岳彦 follow フォロー help フォロー中
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マツダが生み出した高圧縮比ガソリンエンジンを積む最初の市販車、「デミオ 13SKYACTIV」。その空間の住み心地と走りの資質、いわゆる動質はもはや旧態化したつくり込み手法のまま。マツダ自身の「クルマというもの」への理解、それを実現するアプローチを全面的にリニューアルしないと、理論面の革新をユーザーに、そして社会に実感させられるものは生み出せない。(筆者撮影)
今回デミオに搭載された1.3リットル直列4気筒エンジン。シリンダー部分などを切り開いて内部が見えるようにしたカットモデルだが、14という圧縮比は残念ながら「見て分かる」わけではない。摺動部分のエネルギーロスを減らす設計など、専門家ならば見るところは各所にあるのだが。写真右手、エンジンから張り出している塊の部分が金属ベルト伝達のCVT。このトランスミッションゆえに「お受験」を除いてエンジンの実力が表れにくい。(筆者撮影)
今回の「SKYACTIV-G」暫定版に組み込まれた「クールドEGR」。4気筒から出た排気を1本に集め(図右側)、その先から分岐されたパイプ(オレンジ色に描かれている)に燃焼後ガスの一部を流し、エンジンの後面に取り付けた水冷クーラーでガスの温度を下げ(図ではブルーに)、反対側にあるエンジン吸気経路に流量制御弁を介して送り込む。(図版提供:マツダ、以下同)
「ファミリア」というマツダのコンパクトカーの系図では5代目にあたるモデル。1980年6月登場。フォルクスワーゲン「ゴルフ」をお手本に、エンジン横置きFF方式を新たに開発、しっかりした走りを学び、考え、つくり込むことに力を注ぎ、すっきりした台形フォルムとともにヒット作となった。筆者にとっても、マツダの開発陣に様々なことを教えられた記憶に残る存在。
オイルショックによって窮地に立たされたヴァンケル・ロータリー・エンジンを復活させ、マツダ自身の「ドライビングというスポーツ」を大切にする思いを世に示した初代「RX-7」。1978年3月登場。世界的にもマツダというメーカーの存在を知らしめるインパクトをもたらし、これに続いて「ファミリア」「カペラ」と当時の世界レベルの実用車を生み出したことが、今日に至るマツダの評価とイメージを確立した。動質はいささか粗削りで神経質ではあったが、年々刻々と改良と進化を続けるという取り組みもこのクルマから浸透していった。

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