日々の食生活から予防、見た目の対策まで。気にはなっているものの放っておきがちな話題を、各専門家がわかりやすく解説する連載がスタート。潤いのある日常のため、心とからだを見直してみませんか?

監修=後藤礼司 取材・文=轡田早月 編集協力=永坂佳子

写真=PantherMedia/イメージマート

 リモートワーク続きで、ふと気付けばウエスト周りがプヨプヨ・・・。そんな人が少なくないのでは? 実は医師も例外ではなく、愛知県医科大学 循環器内科助教 後藤礼司先生もバスケで鍛えたアスリート体型が、よもやのコロナ太りで腹囲がプラス5cm、体重がプラス5㎏もアップしたのだとか。それを見事に解消した経験を踏まえて、ほどよく健康的なボディを作る方法を伺いました。

腹回りの原因は腹筋よりも背筋?

 デスクワークで座り姿勢が長くなると、どうしても身体が前傾した猫背になりがちです。長時間そうした姿勢でいると、腹筋と背筋のバランスが崩れるので、必然的にお腹がポッコリ体型になってしまいます。これを避けるには、デスクワーク中に意識的に背筋を伸ばす必要があります。

 例えば、アップルウォッチに一定時間を経過すると立つように指示してくれるアプリがありますが、1時間置きぐらいに立ち上がって背筋をグイーンと張るストレッチをするだけでも、体幹の歪みを整えるのに役立ちます。

 また、通勤や買い物などで外出する場合は、できるだけエレベータではなく階段を使うことです。階段がない場合は、背筋をスッと伸ばし、太ももとひざをしっかり上げて足踏みするだけでも構いません。太ももが高く上がりにくい人は、猫背になっているサインです。意識的に背筋を伸ばすことをお忘れなく。

 

鍛えたアスリートでもあっという間にプヨプヨ

 外出が減ったりリモートワークが増えると、ついつい飲みものや食べ物を口にしやすくなります。ジュースやコーヒーをちびちび飲んだり、仕事の合間にポテトチップやチョコレートをちょっとつまむだけでも、それが毎日続けばカロリー摂取オーバーになり、体内に脂肪を溜め込む大きな要因になります。また、忙しいとつい便利なインスタントフードやファストフードに手が伸びがちですが、これもあまり頻度が高いとカロリー過多の一因になります。

 筋肉には脂肪を燃やすエンジンのような働きがありますが、運動不足や加齢で筋肉が落ちてくると、基礎代謝量も落ちて脂肪を燃やせなくなります。例えばバスケットボールのマイケル・ジョーダン選手が引退した後、別人のようにまるまるとした体型になりました。プロ野球選手も、現役を退くと、たいていふっくらしてきます。現役時代と同じだけ食べていれば当然カロリー過多になり、プロアスリートでもみるみるプヨプヨ化してしまうのです。

 しかし、日々蓄積した脂肪は、同じように毎日少しずつの努力で解消することができます。例えば毎日飲むコーヒーをブラックにするだけでもカロリーを抑制できます。無理に食事を抜いても続かないので、できる範囲で少しずつカロリー摂取を抑えていくようにしましょう。