前回(Vol.1)
でも触れたように、モバイルはあらゆるビジネスシーンで活用されるようになっている。顧客へのプレゼンの際に社内の商品情報を参照したり、出張先でワークフローを確認したりと、モバイルをビジネスツールとして活用している例は数えきれない。
こうした法人向けモバイル用途のほとんどが、外出先からのリモートアクセスである。このリモートアクセスの方法は、「インターネット経由でのリモートアクセス」と、「閉域網接続でのリモートアクセス」の2つに大別される。
現在最も普及しているのが、インターネット経由でのリモートアクセスだ。これは比較的ローコストな導入が可能で、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスできるのが最大の強みだ。これに対し、閉域接続によるリモートアクセスは、通信事業者が提供するWAN サービス(IP-VPN など)と組み合わせることで、モバイルから社内にアクセスする方法。インターネットを介さずに通信事業者が構築した閉域網を経由するため、高いセキュリティを実現できるのが特長だ。
しかし、これらの方法にはデメリットもある。インターネット経由でのリモートアクセスには、情報漏えいやウイルス感染などの危険性が常につきまとう。利便性がよいので最も普及が進んでいるが、ノートPC をはじめとするクライアント端末がインターネットの脅威にさらされる可能性があるため、端末側の万全なセキュリティ対策が必須となる。
一方、閉域接続によるリモートアクセスでは、セキュリティ面での不安は払拭されるものの、通信事業者の閉域網サービスを利用する必要があり、コスト高になるのが難点だ。
このように、リモートアクセス導入における最大の悩みとは、セキュリティ対策と、それにかけるコストバランスの問題と言えるだろう。いかに低コストで高いセキュリティを実現するかが、モバイル活用における重要な課題となっているのだ。
IIJダイレクトアクセスへのリプレイス例
インターネットへの接続と構成が同じなのでリプレイスが容易。また、リプレイス以前と同等のコスト以下でセキュリティ向上を達成できる点が特長だ。
(図はクリックで拡大表示できます)
こうした課題を一挙に解決する全く新しいリモートアクセス・ソリューションが『IIJダイレクトアクセス』だ。これは、既設のインターネット接続回線を活用して、社内LAN への閉域接続を実現する仕組みで、IIJモバイルと顧客専用のゲートウェイを経由することで、閉域網サービスと同等のネットワークセキュリティを実現するというもの。IIJ の独自技術をバックボーン
(※1)
バックボーン:大量の情報を流すための太い通信回線のこと。コアネットワークとも呼ばれ、プロバイダーが他のプロバイダーと接続する拠点などを指す。IIJ では、インターネット内にこうした独自の経路を構築・増強することで、一般のインターネットを経由せずに、セキュアな通信ができる環境を整えている。
内に実装することにより、低コストで高い堅牢性と利便性を実現した。同社ソリューションサービス部 ソリューションサービス開発課 課長 安東宏二氏はこう語る。
「IIJダイレクトアクセスは、いわばインターネット上にIIJ が独自の専用線を構築したようなもの。そのため、インターネット環境とほぼ同様にどこからでもアクセスできる一方で、閉域接続でもあるため、セキュリティ面での課題も払拭できるのです」
また、企業のセキュリティポリシーに応じた機能が選択できることも大きなメリットだ。例えば、ユーザごとのきめ細かなアクセス制御。アクセスできるサーバを制限したり、私物のPC などの許可されないPC からのアクセスを防ぐこともできる。さらに、24 時間365日IIJ が監視しているため、運用面での負担も少ない。
同社営業本部 マーケティング企画開発部 主任 青山直継氏は、従来の閉域網を使ったリモートアクセスと比べると大幅なコスト削減が可能だと説明する。「セキュリティ強化のための、ハードウェア、回線、運用といったさまざまなコストを削減し、既存のインフラを大きく変えることなく簡単に導入できます。安価ながら閉域網サービスと同等のネットワークセキュリティが実現できるという点で、従来にない全く新しいソリューションだと自負しています」。
以上、今回は「ネットワーク上でのセキュリティ強化」を、強固かつ低コストで実現する『IIJダイレクトアクセス』について紹介した。次回は、「端末セキュリティの強化」について考えてみたい。
※1
バックボーン
:大量の情報を流すための太い通信回線のこと。コアネットワークとも呼ばれ、プロバイダーが他のプロバイダーと接続する拠点などを指す。IIJ では、インターネット内にこうした独自の経路を構築・増強することで、一般のインターネットを経由せずに、セキュアな通信ができる環境を整えている。
line
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)
IIJダイレクトアクセス
IIJインフォメーションセンター
TEL: 03-5205-4466
FAX: 03-5205-4460
E-mail: info@iij.ad.jp
line
(c) 2008-2009 Japan Business Press Co.,Ltd. All Rights Reserved.
このページに掲載されている全てのコンテンツ(記事、図表、写真など)の無断転載を禁じます。著作権は日本ビジネスプレス,またはその情報提供者に帰属しています。
掲載されているコンテンツは,記事執筆時点のものです。